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八ッ場ダムの現況

関東管区役職員人権啓発研修会として、群馬県草津にある国立ハンセン病療養所 栗生楽泉園方面へ向かう途中に、工事中の八ッ場ダム予定地を通りました。
最初に座学として、八ッ場ダムの経緯と現状について学びます。

八ッ場ダムは利根川の支流、吾妻川の川原湯地先に建設が進められている多目的ダムです。
当初は2015(平成27)年度完成予定でしたが、民主党政権マニュフェストなどの影響により完成が5年ほど延長されています。
規模としては、重力式コンクリートダム・高さは131.0mとなり、神奈川県を除く関東1都5県の中で9番目の大きさのダムとなります。

事業主体の国土交通省関東地方整備局の佐々木八ッ場ダム工事事務所長よりお話をいただきました。

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昭和27年の予備調査開始から現在までの経緯、ダムとは何か、八ッ場ダムの目的、集落の移転代替地について、ダム建設の工程などについて詳細な説明をいただきました。

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移転対象470世帯のうち、地元周辺代替地に約100戸の移転、自主移転が若干、それ以外は中之条、渋川、高崎などへの移転となりました。
ただし、まだ全戸が移転しているわけではなく、それぞれの事情により移転時期が異なっています。
移転対象地区には神社が3社ありました。
寺院については、代替道路による一部墓地移転のあった寺院はありましたが、移転対象となった寺院は無かったとのことでした。


八ッ場ダム全体の想定図がこちらです。(国土交通省関東地方整備局の資料より引用)

 

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往路は、吾妻川の下流より国道145号線旧道(上写真中ダムの水没区域)を通り、復路は国道145号線付替道路(上写真ダムの右を通る赤い線)を通りました。

ここが↓ダムサイト下流にある国道145号線旧道と付替道路の分岐点です。

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左へ進むと旧道、右が付替道路です。
往路は旧道を通りますので、左へ。

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JR吾妻線鉄橋が見えます。
この線路も、道路も、ダムが完成した際には水没となります。

ダム湖の左右両岸を結ぶ八ッ場ダム湖面橋が見えます。
満水の際には、この橋桁の直下まで水位が上昇するはずなので、水量の多さが実感できます。
湖面橋は3箇所ほど設置されます。

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建設途中の写真が数年前マスコミの報道で多く流されました。
橋脚とそこから左右に伸びる工事中の橋脚が十字架に見えるということで、八ッ場ダムの象徴ともいえる光景となりました。

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吾妻渓谷とそれを渡る吾妻線の鉄橋。
この渓谷も水没します。
鉄橋の上に湖面橋が見えるので、水位の目安になります。

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川原湯温泉駅↑も水没しますので、代替路線の新駅に移転となります。

ダム上流の長野原草津口駅は位置はそのままです。
現路線と代替路線が合流し、駅前の整備工事が進んでいます。

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↓こちらは県道バイパスの橋梁工事です。

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復路は、国道145号線付替え路線を通って帰りました。

旧道に比べて道幅、車線数、カーブ、勾配が格段に改善されており、所要時間が短縮されています。
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↓ダムサイト工事現場への入り口

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先ほどの湖面橋を同じレベルから遠望することができました。
橋の左側に集落の移転地区があります。

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↓こちらは吾妻線付替線の橋です。
単線路線にしてはずいぶんと立派な橋脚ですね。

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巨大な工事が進行する現場を目の当たりにし、私たちの「便利な」生活の背景に多くの事象が介在しているということを改めて感じさせていただきました。
ダムの本体工事は本年秋ごろから始まり、旧道は来年春には通行止めになる予定とのことです。

ダム本体工事が始まれば川原湯温泉周辺の景観は一気に変わることでしょう。


■関連リンク
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所

投稿者: kameno 日時: 2014年5月16日 09:33

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