災害に強いまちづくりとは


町内会主催、地区社協協賛の要支援者ボランティア研修会が開催されました。
今回の研修は講師に住民流福祉総合研究所 木原孝久氏をお招きし講演会形式で行なわれました。

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テーマは「災害に強いまちづくり」
「公助」と「共助」のあり方について考えさせられる内容でした。

福祉いえば専門家によるもの、という考えが主流となっています。

介護保険の推移を見ても、保険料が引き上げられたとしてもそれが破綻の一途を辿ることは明らかです。
その理由は国や地方自治体が介護を地元に任せることなく、すべて資格をもった専門家によらなければならない、住民の力を「無視」した施策を取っているからです。

しかし、本当に住民の力は取るに足らないものでしょうか。
先生の提言では、地域を10人~15世帯ごとのブロックに分け(まさに町内会の班と同じような単位)、その中で要支援者の情報を共有し、ブロック内部で支えあうという「住民主体の支え合いのまちづくり」の仕組みを作ることにより、金銭的な負担なく介護制度を維持できるといいます。  
住民が50名いれば、そのうち7、8人は介護経験があります。
また、孤独とされる人たちでも、必ずといって良いほど何らかの関わり、支えを受けている人がいます。

このことは、民児協で行なっているお食事会や、僧侶が主催する自殺者遺族の会などにも大きな示唆を含んでいます。
大きな会場にたくさんの該当者を集め、年に数回そういう催しをすることも大切ですが、実際には日常的に近隣で支え合いをしていたり、近くの者同志で支え合っている力の方がずっと大きな意味を持っているということなのです。

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それを図式化したのが「支え合いマップ」です。
要支援者がどのようにご近所でふれあい、支え合っているのかを把握するためのマップです。
単純に要支援者が何処にいるかを示すだけではなく、関わっている人までを書き入れているのが特徴です。
支え合いマップを作ると、孤独とされる人たちの殆どに数本の線が引け、さらに詳細に見ていくと、その大部分は身内からの線であることが分かったそうです。
娘が毎日食事を食べさせに来るとか息子がときどき様子を見に来るなど。また、近くの親戚が週に数回生活の面倒を見に来ることもあります。

一見無縁社会に見えるようで、実はまだまだ「有縁」社会であることが分かります。

支え合いマップを当該ブロックで共有(ブロックの外には公開しない)し、また、要支援者ボランティアは要支援者だけでなく関わっている人に働きかけることによって、災害時などの事態に即応でき全体で支えあうことができる仕組みが、税金を投入してプロの専門家に頼らなくても(経費をかけず)出来上がるのです。

 

住民の力を「無視」した施策のもう一つの弊害は、プロの手が入ることにより、それまで関わり合っていた住民が手を引いてしまうということです。
住民の助け合いが失われる契機をつくり、危機的状況を生み出す源となってしまいます。
公助が入ることにより共助がなくなってしまう懸念があります。


そしてさらに「自助」も大事です。
私たちは人に助けを求めることは人に迷惑を掛けることであり、出来るだけ助けを求めないことが大事だと思い込んでいます。
統計から、困ったときに自発的に助けを求める人は数パーセントしかありません。
けれども、助けを求めることこそが大事なのです。
同様の統計では、10人中9人の人は、助けを求められれば助けるという結果となっています。
しかし、頼まれなくても手を差し伸べるというのは僅か20%。

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孤独死をする年齢、性別のグラフを見ると、孤独死が一番多いのは50~60代の男性です。
その理由は、この世代の男性が一番助けを求めないということに関係するようです。


ではどうするか。
結論としては支援の日常化から「助け合えるご近所」づくり、助けられ上手さんを育てることがが大事だということでありました。
それが介護保険の問題、孤独死の問題をも解決する糸口となるものなのです。

投稿者: kameno 日時: 2010年11月22日 01:26

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