夏休み土曜塾@貞昌院

夏休みチャレンジスクール「土曜塾」が本日(22日)午後、貞昌院において開催されました。

永野小学校児童・保護者・先生を中心に、約20名の参加をいただきました。

 

テーマ  『坐禅と仏教的世界観と明治時代の教育』

平成21年8月22日(土曜日)午後1時30分より 於 貞昌院

プログラム

■坐禅
 ・坐禅の説明
 ・坐禅 (2チュウ)

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■本堂の地獄絵図を見てみよう
 ・本堂の地獄絵図から仏教の世界観を学びます

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■明治時代の教科書、ノートを見てみよう
 ・永野小学校の4代校長(明治35?大正14年)であった先代住職の教科書とノートをご紹介します

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■いただきます、ごちそうさま
・食事の心構えを実践します

■質疑応答


■当日のプログラムより一部抜粋

亀野源量先生が明治21年に児童向けに作成された算数の問題。 和紙に筆で几帳面に書かれています。 このほか各教科の学習の記録が事細かに残されています。

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(問4)男女二人にして一事を為すに7日にして終業せり。今これを男1人にて成せるは12日にて成業す。然るに女1人にて成すには幾日を要するや。

(問39)半径一尺二寸なる円内に一条の半径を作り、これを六等分し、その各分点より直立線を出して円周に会せしむるあり。由て問う。その直立線の尺度各幾何。

2問抜粋してみました。・・・・・いかがでしょうか、是非挑戦してみてください。

それにしても実に細かい字です。

算数以外の教科書、ノートも筆で几帳面に書かれていました。
紙も貴重な時代です。
別の用途に使われた紙の裏に書き、それを和綴じしてノートとして使っているのです。

ノートの一角に次のようなメモが残されていました。

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人たる者 宜しく 書を読むべし、 字を読むべからず
身体の強健は 事を為すの資本なり
教師は 宜しく 真の教師たれ、 偽の教師たる勿れ


■六道地獄絵図の解説資料

六道地獄絵図からさまざまな仏教的世界観も見えてきますし、時間、空間に関する気の遠くなるような壮大な考えも垣間見ることが出来ます。

また、こどもたちは一つひとつの描写から自由に発想し、多くの質問が出てきました。 何故そのように描かれているのか、ということに興味が尽きないようです。

天道 インド出身の神々の住んでいる場所。人間界に無い歓楽、超能力があり寿命が長い。ただし仏の世界から見ると絶対的な境地とはいえない。
人道 生老病死の「四苦八苦」と「無常」の世界ではあるが最も修行しやすい世界。仏が出現する。
阿修羅道 仏教的境地は人間より低いが、天道に近い能力を持っている鬼神の世界。日食、月食を起こすと考えられている。
畜生道 禽獣植物魚虫などの世界。
餓鬼道 地下にあり、閻魔王の支配下にある。常に飢えに苦しむ餓鬼の世界。
地獄 等活地獄 全身を引き裂かれては生き返らせるという責め苦を延々繰り返す。刑期は1兆6600億年以上となる
黒縄地獄 熱い鉄の鞭で叩かれる責め苦。苦痛は等活地獄の10倍。刑期は等活地獄の数10倍
衆合地獄 刃の山を登ったり降りたりを延々繰り返す責め苦。苦痛は黒縄地獄の10倍。刑期は黒縄地獄の数10倍
叫喚地獄 熱した鉄の牢獄に押し込められる責め苦。苦痛は衆合地獄の10倍。刑期は衆合地獄の数10倍
大叫喚地獄 叫喚地獄をさらに凄くした責め苦。苦痛は叫喚地獄の10倍。刑期は叫喚地獄の数10倍
焦熱地獄 串刺しにされ火であぶられる責め苦。苦痛は大叫喚地獄の10倍。刑期は大叫喚地獄の数10倍
大焦熱地獄 全身の皮を剥がされた上で熱湯をかけられたりする責め苦。苦痛は焦熱地獄の10倍。
阿鼻地獄 百億の虫の海に投げ込まれたり口の中にドロドロに融けた銅を流し込まれたりする責め苦。苦痛は上の7つの地獄全てを足してさらに1000倍。刑期は1中劫

例えば、地獄の中では一番上層にあり、地獄の苦しみが最も少ないとされる「等活地獄」について、そこに留まらなければならない「刑期」は、四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)の寿命を1日として、その500年分とされています。 四天王の寿命は、人間界の50年を1日として500歳とされますから・・・・

すなわち、50年(人間界の50年)×365日×500年(四天王の寿命)×365日×500年(等活地獄の刑期)ということになり、1兆6600億年を超えることとなります。

一番罪の重い「阿鼻地獄」では、その刑期は「1中劫」とされ、その長さは3年に1度天女が舞い降りて1辺1由旬(約7km)の大岩を衣でこすり、その岩が削れてなくなるまでの長さを言います。とてつもない時間感覚です。


おつかれさまでした。

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■昨年の様子はこちら

夏休みチャレンジスクール土曜塾

投稿者: kameno 日時: 2009年8月22日 22:25

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