防災のための身近な組織

今朝発生した静岡沖地震は、時間の経過と共に被害状況の全容が明らかになってきました。
総務省消防庁のまとめでは、11日夜までに負傷者は静岡県103人、愛知県3人、神奈川県3人、東京都1人の計110人に達し、静岡県牧之原市、菊川市を中心に3340棟の住宅が損壊。
東名高速では、牧之原サービスエリア付近の上り線路肩が約40メートルにわたり崩落し、東海道新幹線は上下62本が運休、最大で2時間48分の遅れが発生しました。
台風通過により地盤が弱くなっている箇所では、土砂災害の危険性が高まっており、引続き警戒が必要だと思われます。

被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。


地震など自然災害はいつ起こっても不思議ではありません。
それゆえ、日ごろからの備えが不可欠となります。
各家庭ごとの備えのほかに、地域が連携した防災システムが整備される必要があります。それが被害を最小限に食い止める大きな要因となるのでしょう。


貞昌院の周辺・上永谷地区を例に取ると、市町村、各小中学校で策定されている防災マニュアルに加え、町内会、地区民生委員を骨格とした「災害時支援者委員会」を立ち上げ、昨年より毎月防災委員会を開いて具体的な方策について会議を重ねてきました。
まずは3本の柱として

(1)災害時支援者委員会の組織、役割分担の作成
(2)要支援者の把握
(3)支援者ボランティアの募集

のについてまとめました。

現在まで

(1)については委員長?副委員長?ボランティア委員と地区民生委員・災害際策部長・防犯部長による「組織図」、「災害時要支援者ボランティアの手引き」、「防災マップ」が作成され、災害時には町内に2つの本部が設置され、それぞれの本部を中心として情報把握と要支援者救護の指揮が行われることとなります。
私は町内会館内本部に詰めることとなりました。

(2)にいては、一人暮らし、高齢者、障害者などについて、それぞれ訪問の上、災害時にどのような支援が必要か、その支援緊急度はどの程度かの把握が行われました。現在のところ町内に48名の要支援者を優先対象とすることとなっています。

(3)については、町内より災害時に支援活動をしてくださるボランティアを募り、現在までに80名を越えるボランティアスタッフの参加をいただき、それぞれ安否確認・誘導・介護・看護・救出・その他の役割分担が行われました。
その情報はすべて本部に集約されることとなります。


今月初旬に第1回ボランティア説明・意見交換会が行われましたが、町内会館が一杯になるほどの参加があり、その意識の高さを感じることが出来ました。
今後は、例えば今月下旬には心肺蘇生・AEDの使用に関する実地研修、来月は防災訓練の実施など、ボランティアスタッフを含めた研修、意見交換が行われていく予定です。

災害時に一番頼りになるのは身近な組織です。
家族があれば家族、家族が居なければ隣近所の連携が必要となってきます。
しかし、住民の高齢化、一人暮らしの増加により、その連携を保つことが困難な状況となりつつあります。
その連携を保つ補完として災害時支援者委員会を中心とした組織が機能するように準備を重ねていきたいと考えています。

もちろん、災害時支援者委員会が実践活動しない平穏な毎日が続けばそれに越したことはありません。



東名、上下線復旧は13日午前中にも

静岡県牧之原市の牧之原サービスエリア付近で、路面や路肩の一部が崩落した東名高速道路について、中日本高速道路(名古屋市)は11日午後、記者会見を開き、13日午前0時を目標に、応急的な復旧措置を終えたい考えを明らかにした。
同社は現在、崩落現場の土砂流出が拡大しないよう土留めを行うなどしており、「13日午前中には上下線のすべての通行止めを解除したい」としている。
(読売新聞 8月11日)


当初、牧之原サービスエリア付近の路肩や車線の盛り土崩れについて、復旧の見通しが立たないとされていた東名高速道路は、13日午前には仮ながら全面復旧の見込みとなるそうです。
報道には現れてこない並々ならぬ苦労があるものと拝察いたします。中日本高速道路の職員、現場の皆さまには心より敬意を表します。

投稿者: kameno 日時: 2009年8月11日 22:07

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