参禅の思い出の歌

貞昌院では毎週木曜日早朝に坐禅会を開催しております。
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定期的に行うようになって10年以上経過しました。
最初の頃は数名での坐禅会でしたが、今では多くの方に参禅いただくようになりました。

坐禅会に参加されている方より、短歌をいただきました。
思い返せば、さまざまなことがありました。
一句一句読み返すと、そのときの情景が蘇ってきます。
掲載のご承諾を得ましたので、いくつかを抜粋させていただき、ご紹介させていただきます。


<参禅の思い出の歌>

生きている 心の底に 欲が住み 可愛くもあり 煩わしくも

朝まだき 参道通る 息白く 既に入りたる 打座の面影
    
湧き水の 池面を出でて 跳ね上がる 群れなす鯉の しぶきかがよふ
 

■ゆめ観音アジアフェスティバル

炎天下 異国の人も 舞ひ唄ふ ゆめ観音の 岩戸開くも


■貞昌院門前

あかときの 打座へ行く道 森の辺に 月あかあかと 沈みゆく見ゆ

打座の淵 幾重の我の 現はれて 大きく小さく 心を揺らす

吾が独り 始めし打座の 年経りて 十数名 友の目すずし


■貞昌院奈良旅行

中宮寺 弥勘菩薩の み前に座して 微笑むみ顔 ただ仰ぎをり

東大寺 阿吽の相の 仁王像 人の心を 透かし見をらむ

幾たびぞ おおきみ仏 仰ぎたり 開けるみ手の 迫り来るらん

興聖寺 道元禅師の 禅の道 萬代かけて つつうらうらに

■ダライ・ラマ法王の講演

夢にまで 現れ出でし ダライ・ラマ うつつにみ声 給わるぞ嬉しき


■貞昌院 打座

堂内に 五観の偈頌の とよもせり いただく朝餉 典座のたまを
                         
結びには 打座で唱えし 経典の 秘めたる法を 説き給ひけり

安楽の 法門へ ただ一筋に 壁に向き合ふ 打座の友びと

非思量 不思量底 思量の辺 あらばやとただ あらばやと経る

己なく み堂の床に おおうみの 黄金に映えて うつつにぞ現るる

貞昌院の 無為の行に 導かれ 十年の打坐 一刻のごとし


今日もいつものとおり坐禅会が開催されました。

投稿者: kameno 日時: 2008年7月31日 10:34

コメント: 参禅の思い出の歌

本年の思い出の歌を送りします。
                のり ひ
 元日のみ堂にとよもす打座の鐘 法の灯ともる貞昌院
           こうはい い
 大寒の打座のストーブ後背に 凍てつく体ほどけゆくなり

 あかときの寒風すさぶ座禅会 友みな揃ひみ堂に入りぬ

 只管打坐とはの時空に身をひたし 過ぎゆく時も我をも知らず

             21.3.26

      亀野様

              参禅者I

投稿者 I | 2009年3月26日 16:40

Iさん
いつも折に触れての歌をありがとうございます。
このように並べてみるとその時々の坐禅会の記憶が鮮明に蘇ってきます。
これからも新しい歌を楽しみにしています。

投稿者 kameno | 2009年3月28日 21:45

かたくなに凍てつく時節ようように ほどける春のいぶき漂ふ
 
 はなまつり誕生佛に合唱し 甘茶を濯ぐ打座のみな人
 
 春おそく忘れず来たり鶯の 朝の読経に合はせ鳴くかも

           21.5.16

      亀野様

投稿者 参禅者I | 2009年5月16日 15:52

参禅者Iさま
春から初夏にかけての思い出が想起されますね。
いつもありがとうございます。

投稿者 kameno | 2009年5月16日 16:15

SZI 総持寺 青山老師講演会
 あな尊し聖哲の道を極め 悠久の真理諦めらるる

 命に感謝・生に誠を尽くしなむ 光にそひて残るみちをば

  21.6.11
 ニューフェイス青年男女堂にみち ともに座するは頼もしか りき
           21.6.21
                参禅者1
        亀野様

投稿者 参禅者 | 2009年6月21日 21:11

参禅者さま

講演会参加有難うございました。
また、二句目はキャンドルナイト採火式合宿の際の歌ですね、堂内が坐禅を行じる人で一杯になりましたね。

投稿者 kameno | 2009年6月23日 04:36

かう        
  あけやらぬ貞昌院の座禅堂 大晦日にぞ香の漂ふ

             はつ
  21年貞昌院の座禅会 初日に開き大晦日をもや


  淀みなく波たたずに流れゆく 時は変われど始原のままに

       21.12.31

             参禅者1

     亀野様

投稿者 Anonymous | 2010年1月 2日 20:41

参禅者I様
昨年は元日も大晦日も坐禅会を行なったのでしたね。
人はそれぞれ勝手に「特別な日」として定めていますけれど、時間はそんなことに拘わらず淀みなく波たたずに流れていきます。
そんなことを改めて実感いたしました。
いつも有難うございます。

投稿者 kameno | 2010年1月 2日 22:29

22.2.18(木)雪 貞昌院
 春の雪音なく積もる貞昌院 外はさながら兼六の園

 22.4.8(木)花まつり 貞昌院
 ありがたやこぞ・この年も花まつり ながらへてまた甘茶濯ぎぬ

 22.5.8(土)花まつり 龍宝寺
 芍薬の花の綻ぶ龍宝寺 茶を汲む群れの善男善女

 経文の皆立ち上がる龍宝寺 とよもす読経天に届けかし

 龍宝寺五百羅漢の見下ろさるる み堂に揃ひ打座に入りけり

         22.5.12

    亀野様

          参禅者1

投稿者 参禅者1 | 2010年5月12日 15:00

参禅者1様
いつもありがとうございます。
先の降誕会法要はたくさんの方々にお越しいただきました。他の寺院の法要に参加する機会はそうそう無いと思います。
新たな発見や縁の広がりもあったのではないかと思います。

投稿者 kameno | 2010年5月13日 12:14

      参禅の思い出の歌

  初打坐の 帰路立ちをれば 橋の下 光芒揺らぎ 日の昇りつつ

  あかときの 参道凍てつく おほ寒に ソーラ温もる み堂に座して

  ひと列の み堂歩む 足裏の 己がなき身の うつつを載せて

  言の葉の 命・心と 言ふらめど 形も見えず こころせんをや

  鎮もりて よくよく見れば 身のまはり 鳥草木も 生き耀へり

  淀みなく 波の立たずに あるがまま 抱き流るる 悠久の大河

           平成二十四年二月一日
     
     貞昌院 亀野先生

               参禅者1 

投稿者 参禅者1 | 2012年2月 1日 14:06

参禅者1さま
いつも有難うございます。
新しいページに纏め直しました。
これからも楽しみにしています。

投稿者 kameno | 2012年2月 2日 07:22

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