No.45 解説
道元禅師は、多くの人々に仏法を伝えるため﹃正法眼蔵︵しょうぼうげんそう︶﹄九十五巻を著されたことは、広く知られるところです。しかし、禅師はそれだけでなく、実際の説法の記録として、ここに挙げた﹃永平広録﹄も残されています。 この﹃永平広録﹄は、十巻より成り、京都・興聖寺での説法から福井・永平寺に入られた後の説法まで、数多くの上堂︵お弟子さんへの言葉︶を記録しています。 表題の句は、実際に新年を迎えるに当たっての上堂における言葉です。そこには、実際にお弟子さんたちを目の前にし、永平寺の風景が眼前に広がる中で、仏法のありよう、真実の姿が新年の景色として如実に表されているのです。