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秋の気配をようやく感じられるようになりました。
この時期、裏庭の池にはカマキリが池に飛び込む光景を見かけます。
今日も、このように水面にカマキリが浮いていました。
通常、カマキリが好んで水に飛び込むという事はないはずです。
けれども、カマキリの腹部に寄生する「ハリガネムシ」が、カマキリの体内で成長し成虫になると、寄生しているカマキリの脳に特殊なたんぱく質を送り込んで、カマキリを水に飛び込ませるようコントロールするのです。
結果、カマキリが水に飛び込むと、ハリガネムシはカマキリのお尻から水中に出てきます。
この写真を撮った段階では、すでにハリガネムシはカマキリから出ていて、池の底でクネクネと泳いでいました。
カマキリの方は、これだけ大きなハリガネムシがおなかの中に居ると、内臓がすでに食い破られており、生殖能力は失われ、寿命も残りわずか。泳げないので、直ぐに息絶えてしまいます。カマキリにとっては、ハリガネムシに寄生された段階で残念ですが助からない運命なのです。
ハリガネムシは、このように水中で、何も食べずに交尾の相手と出会うまで待ち続けます。
運良く相手が見つかれば、春先に交尾をして、水中に産卵し、孵化した幼虫はミジンコなどの水中生物に捕食され、寄生します。
次第に上位生物に捕食され、宿主を変え、運よくカマキリに捕食された個体が、成虫になり、さらに運よく水中に戻ることができた個体が子孫を残すことができるのです。
観察のためにハリガネムシを水中から引き揚げてみると、元気に動き回り、水中に戻ろうとします。
(ハリガネムシは、宿主の体内か水中以外では、生きることができません)
錦鯉の池に飛び込んだカマキリですが、直ぐに鯉に捕食されてしまいました。
かわいそうに思えますが、食物連鎖の中で、ハリガネムシの寄生はかなり大きな役割を果たしているという研究結果もあります。
これも自然の摂理なのです。
ハリガネムシについての詳細は、以前ブログでも記事を書きました。
是非一読ください。
ハリガネムシの奇妙な一生
https://teishoin.net/blog/006444.html