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11月8日の皆既月食は、月の出しばらくしてから部分食がはじまり月食全体の時間帯や月の高度、継続時間などが好条件となりました。
しかも横浜では秋晴れの好天に恵まれ、月食中に起こった天王星食も観測できました。
この皆既月食を貞昌院からYouTube生中継しました。
配信は、貞昌院庫裏2階ベランダから赤道儀カメラと三脚固定カメラの2台体制で行っています。
主な見どころをご紹介します。
下記説明文をクリックすると生中継アーカイブの当該部分に飛びます。
本堂の向こう側から半影食中の満月が昇ってきました。
まだ地平線に近いので黄色く色づいており、大気の揺らぎもかなりあります。
部分食の始まり。
月が地球の本影に隠れ始めます。
ただ、影の境界は地球の大気のために、それほどはっきりせずぼやけていることが判ります。
皆既食。
月が地球の本影にすっぽりと隠れました。
ただ、完全に真っ暗になる訳ではなく、地球の大気で拡散されたわずかな光が月面で反射して赤黒く見えます。
天王星食。
皆既中の月に天王星が隠されていきます。
天王星は空気の綺麗な空で肉眼で見ることができるギリギリの6等星の明るさ。皆既月食中だからこそ観測しやすくなっています。
天王星の出現。
皆既が終り、部分食となった月から天王星が姿を現しました。
皆既中に比べて月の照度が高いので、肉眼では観測は難しかったと思います。
部分食の終わり。
まだ半影食が継続しますが、見かけ上はほぼ満月と変わりません。
今回起こったような皆既月食中に月が天王星を隠す天王星食は、過去5千年間に一度も起こったことが無い大変珍しい天文現象でした。
天王星に限定せず、皆既月食中の惑星食の条件では、日本で皆既食中の惑星食を観測できたのは1580年7月26日(天正8年6月15日)の土星食以来442年ぶりとなります。
国立天文台のサイトで442年前の皆既月食中の土星食を計算してみました。
1580年7月26日(天正8年6月15日)
月食の状況 時刻
半影食の始め 17h31.0m
部分食の始め 18h27.2m
皆既食の始め 19h31.7m
食の最大 20h07.6m
皆既食の終り 20h43.4m
部分食の終り 21h47.9m
半影食の終り 22h44.2m
土星食の状況 時刻
食の始め 19:33:11
最小角距離 21:07:24
食の終り 22:41:22
かなり条件の良い皆既月食で、やはり皆既食が始まってまもなく土星食が始まりますので、今年の天王星食よりも見ごたえのある天文現象になったことでしょう。
(ただし、晴れていればの話ですが)
天正8年といえば、織田信長の居た時代。
もしかしたら信長も夜空を見上げていたのかもしれません。
貞昌院が創建した天正10年が、この皆既月食+土星食の2年後であることも何かの縁だと感じます。