OpenStreetMap(OSM)編集作業

今や車に必須となった電装品といえば、カーナビ、ドライブレコーダ、ETC。

そのうち、カーナビはここ数年で競争が激化し、低価格化が進んでいます。

カーナビの地図の供給元は、7割ほどがゼンリン、それ以外はメーカー独自などがあるのですが、最近はOpenStreetMap(OSM)の地図を利用する低価格ナビがシェアを伸ばしています。
1万円前後で購入できる機器もありますね。

ゼンリンなどの地図メーカーが供給する地図は、地図を専門とする会社が実地調査を重ねて作成しているため、信頼性は高いのですが、その分価格が高くなります。
そのため、ユーザー側では地図の更新を行う場合、データを数万円で購入することになるため、頻繁に更新するということに抵抗があったりします。
地図更新の間隔が空いてしまうと、新しい道路や施設ができた場合、それに対応できないという実用性、特にルート検索などに支障がでます。



対して、最近増えてきたOpenStreetMap(OSM)の地図は、誰でも無料で利用できることが特徴です。
格安のカーナビは、この地図を利用することによって、料金を下げることができるのです。

さて、このOpenStreetMap(OSM)については、公式サイト https://openstreetmap.jp/ をご覧になるのが一番良いと思います。

OpenStreetMap(OSM)は、誰でも自由に地図を使えるよう、みんなでオープンデータの地理情報を作るプロジェクトです。
プロジェクトには、誰でも自由に参加して、誰でも自由に地図を編集して、誰でも自由に地図を利用することが出来ます。

と説明されているとおり、地図のデータを、世界各地の一人一人が地図編集して、皆がリアルタイムに地図を作り上げているのです。
そして、そのデータは、オープン ライセンスの下で自由に利用できます。
具体的には、OpenStreetMapとその協力者をクレジットすれば、データを自由にコピー、配布、送信、利用することができます。
また、変更したり翻案したりしたデータは同じライセンスに従えば、第三者に提供することもできます。


私も、ささやかではありますが、OpenStreetMap(OSM)の編集者として、時間を見て地図更新を行っています。
一人一人の編集はささやかでも、何百、何千万人も集まれば、膨大な知識の蓄積として有用なデータとしてまとめ上げることができるのです。

地図編集の画面がこちら。
航空写真をもとに、道路、河川、建物、各種施設などを入力していきます。
古いデータや間違っているデータがあれば、それらを更新していきます。

20191123-02


それを反映させると、地図データとして記録されます。
履歴を確認すると、多くの方がそれぞれデータ更新を行っていることも確認できます。

20191123-01

 

こうして集約された地図データは、OpenStreetMap(OSM)の公式サイト https://openstreetmap.jp/ から誰でも無償でダウンロードすることができます。
OSM対応のカーナビであれば、適宜更新を行うことによって、最新の地図データを保つことができるのです。

オープンソースの地図ですから、さまざまな編集者が更新作業を行っているため、部分的に信頼性が低い場合があります。情報が間違っていることもあるでしょう。
まずは、そのような地図であることを理解したうえ利用することが大切で、気づいた人がその都度正しい情報に修正していく必要があります。
それによって、信頼性を徐々にではありますが、高めていくことができるのです。

 

今後、このようなオープンソースの地図が主流になってくると、既存のカーナビメーカーはシェアを奪われ、業績の悪化するとういう懸念があります。
地図専門メーカーが作るタクシーや配送業など、プロユースに資する地図と、気軽に使えるオープンソースの地図、というような住み分けも進んでいくことでしょう。

平成から令和にかけては、特に日本のカーナビメーカーにとっては新しい需要に向けてまさに転換の時期でもあり、正念場の時期でもあります。

投稿者: kameno 日時: 2019年11月23日 21:37

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