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約1年前に書いた記事 相鉄JR直通線の工事が進む の続報です。
来年度(2019年度)下期に相模鉄道・西谷とJR東海道貨物線がつながり、海老名方面から武蔵小杉・渋谷・新宿方面への直通運転がはじまります。
それからさらに3年後、相模鉄道と東急東横線がつながり、海老名方面から新横浜・日吉・渋谷方面への直通運転がはじまります。
図は直通運転公式サイトより引用
その概要は下表のとおりです。
表:相鉄・JR直通線および相鉄・東急直通線の概要 (参考・直通運転公式サイト)
相鉄・JR 直通線 | 相鉄・東急 直通線 | |
整備区間 | 相鉄本線西谷駅~ JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近(約2.7km) | JR東海道貨物線横浜羽沢駅付近~ 東急東横線・目黒線日吉駅(約10.0km) |
開業予定時期 | 2019年度下期 | 2022年度下期 |
営業主体 | 相模鉄道(株) | 相模鉄道(株)・東京急行電鉄(株) |
運行区間 | 海老名駅・湘南台駅~西谷駅~ 羽沢駅(仮称)~新宿方面 | 海老名駅・湘南台駅~西谷駅~羽沢駅(仮称)~新横浜駅(仮称)~新綱島駅(仮称)~日吉駅~渋谷方面・目黒方面 |
運行頻度 | 朝ラッシュ時間帯:4本/時 程度 その他時間帯:2~3本/時 程度 | 朝ラッシュ時間帯:10本~14本/時 程度 その他時間帯:4~6本/時 程度 |
直通運転の要となる、羽沢横浜国大駅の工事がだいぶ進んでいます。
上図は直通運転公式サイトより引用
今日現在の羽沢横浜国大駅の状況です。
いろいろな角度から撮影してみました。
貨物駅を横断する陸橋から上り方面を眺めると、地下から登ってJR貨物別線に接続する線路と、トンネルで新横浜を経由して東急東横線に接続する線路の工事状況もよくわかります。
まずは、2019年度下期のJRとの接続まで1年ほどになりました。
完成すれば利便性はかなり向上することでしょう。
接続先のJR線は、貨物線を経由して、湘南新宿ライン・横須賀線の路線を通ります。
ただ、問題が全くないわけではなく、この路線はすでにダイヤがかなり過密化していて、そこの隙間に朝ラッシュ時間帯:4本/時 程度、その他時間帯:2~3本/時 程度を確保することはかなり難しい現状にあります。
その理由の一つが、旧蛇窪信号場の平面交差です。
旧蛇窪信号場は、JR西大井駅駅から先、品川方面に向かう横須賀線と、渋谷方面に向かう湘南新宿ラインの分岐点ですが、地図で示すと下図の2カ所ある赤着色のうち下の赤着色の部分にあたります。
GooGleMapで見ると、この分岐点の線路は、平面交差していることがわかります。
(下写真の着色部)
湘南新宿ラインに関わる平面交差支障の解消について(PDF) というJR東日本の報告書に、この部分を図式化していましたので、引用してみます。
つまり、この平面交差があるために、西大井を出て大崎・渋谷方面に向かう湘南新宿ラインの北行き列車と、品川方面から西大井へ向かう横須賀線の南行き列車がお互い干渉しないようにダイヤ間隔を開けて運行する必要があるのです。
このために、数分刻みのダイヤを組むことができず、効率的な運行が出来ない問題があります。
この平面交差の問題を解決するための現実的な方法が、西大井を出て大崎・渋谷方面に向かう湘南新宿ラインの北行き列車をショートカットさせる短絡線を新規に敷設するというものです。
これを大崎短絡線構想といいます。
Googleの航空写真に大崎短絡線を描くとこのような感じになります。
ですので、相鉄・JR直通線は2019年度中に実現はするものの、本格的な運用ができるのは、大崎短絡線が完成してからということになりそうです。