東京圏の広がりをGoogleマップで

外国の各都市と比べて、日本の都市形成の大きな特徴は、住宅地が平面的・連続的にずっと広がっているということでしょう。
都市の中心部から郊外に向かう列車に乗ると、車窓には延々とビルや住宅地の光景が続きます。
その最たるものが、東京を中心とした「東京圏」の広がりです。


実際に、その連続性をGoogleマップで検証した地図があります。
市街地の集約性を表す言葉として「人口集中地区(DID:Density Inhabited District)」というものがありますが、建物の連続性に着目してマッピングしているところが面白いです。
その地図がこちら。

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東京は街が途切れないというが、実際どこまで続いているのだろうか。それを確かめるためGoogleマップをなぞったら一年かかった。一周3599km。誰でも閲覧できます。(作成者げんたろうさん @xxgentaroxx)

 

建物が判別できるスケールまで確認しながらその境界を辿っていくと、いろいろな発見があります。

鎌倉幕府のエリアは、周囲を山に囲まれた、自然地形を利用した要塞都市として造られたということも明確にわかりますし、熊谷が「東京圏」に繋がっている様子も興味深いですね。
貞昌院もしっかりと「東京圏」に入っていますが、それは昭和40年代の大規模住宅開発があったことによるものです。

時代によって都市圏がどのように変遷してきたのかを詳細に辿るのも面白いですね。

さて、問題は今後です。
現在の「東京圏」エリアに住む人口はおおむね三千万人強(この規模は世界一)となっていますが、今後は少子高齢化の影響で人口は確実に減少していきます。
となると、都市を維持している人口密度分布も低密度化の方向に進んでいくでしょう。

これだけ広い「東京圏」ですが、人口分布が不均衡になり、やがては斑状に欠損部が拡大していくことでしょう。

巨大な都市圏をどのように維持していくか。
その具体的な対策が求められます。

投稿者: kameno 日時: 2017年3月29日 10:13

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