新緑の美しい時節を迎えました。
境内は鮮やかな緑色に包まれています。
しかし、この時期になると枯れてしまう、アマノジャクな植物があります。
それは・・・・
この枯れ始めた草は、彼岸花です。
1月から4月の初めにかけては、青々と元気よく茂っていた草です。
4月中旬をすぎると、ご覧のとおり、枯れてしまいます。
たいていの植物は、初夏に向けて新緑が芽生え、日の長い夏にたっぷりと光を浴びます。
対して、彼岸花は、他の植物がお休みしている時期に葉を茂らせ栄養を蓄え、新緑の季節はお休みするというサイクルを選択しています。
「葉見ず花見ず」という言葉は、彼岸花の別名です。
すなわち、彼岸花は、花の時期には葉を見ることが無いし、葉の時期には花を見ることが無く、2つの時期はそれぞれ春先と秋彼岸の時期というように明確に分かれてしまっています。
葉が生い茂っている状態を見て、それが彼岸花であることには、余程注意深く観察していないと気づかないことでしょう。
不思議な習性の植物ですね。