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一年ほど前からサービス提供が始まったAndroid版スマートフォンアプリ『京都禅寺巡り』の本気度が凄いです。
このアプリは、禅文化研究所の企画発案、日本システム技術株式会社等の会社により開発、作成されたものです。
単なるガイドブック、紹介の領域にとどまらず、カメラ機能・GPS機能・通信機能を備えたスマートフォンの特徴を生かした体験型のアプリとなっています。
どのようなアプリかをご紹介します。
さまざまなコンテンツが並べられています。
普通、こういう寺院側から発信するアプリって、単純に印刷物のリメイク版程度のものだという先入観がありますが、実際に各コンテンツメニューに入ってみると・・・・・
■最初のコンテンツ「カメラ」では、「トリップカメラ」を使うことが出来ます。
禅寺の庭園は四季折々さまざまな表情を見せます。
桜の季節、紅葉の季節、雪景色などなど。
しかし、必ずしもそれぞれの見ごろの時節に訪問できるとは限りません。
でも大丈夫。
「トリップカメラ」では、実際に境内のビューポイントに立ち、アプリの指示に従うと、スマートフォンの画面に映し出された現在の画像に、参拝時と異なる季節、例えば紅葉の見ごろの時の風景が重ね合わさって表示されます。
時間を越えたバーチャル体験が出来るわけです。
■次のコンテンツ、クイズもなかなかコアな問題が並んでいます。
お試し問題(下写真)はお手ごろ問題なのですが、有料登録が必要な「修行」モードの問題はかなりの難問です。
これらに全問正解できた方は、相当の京都禅寺ツウといえます。
■「スタンプ」は、いわゆるスタンプラリー、現代版の御朱印帳のようなものですが、スマートフォン向けにさらに進化しています。
まずは、それぞれの時節に合わせたコースが提供されます。
その寺院に参拝した際には、GPS機能により認証され、確かに参拝したという証としてスタンプがスマートフォンに蓄積されます。
寺院ごとの特徴あるスタンプが魅力的です。
前出のクイズで取った高得点やスタンプラリーでのスタンプは、アプリからFacebookへ直接シェアしたりツイートできます。
寺院側でレアスタンプなどを仕込んでおくと面白いかもしれませんね。
■法話や禅語解説も充実しています。
定期的に発信される法話は臨済宗・黄檗宗の布教師による生の声です。
■寺院巡りにはGPS機能が大活躍します。
目的の寺院を検索すると、そこまでのルートが表示され、適切に案内してくれます。
道に迷うことが無いですね。
■寺院にたどり着いたら、その寺院の詳細を学ぶことが出来ます。
音声案内もあります。至れり尽くせりですね。
かなり本気に作りこまれていますので、充実度が半端ではありません。
なにより、禅文化研究所が直接作成に関わっているということで、情報の信頼度も高いのです。
ここまでご紹介してきて、残念なお知らせですが、このアプリを作成している禅文化研究所は、臨済宗・黄檗宗に属する研究所です。
したがって、紹介されている禅宗の寺院は、臨済宗・黄檗宗に限定されています。
試しに、京都市内にある曹洞宗の詩仙堂を検索してみましょう。
詩仙堂は、庭園が見事な曹洞宗の寺院です。
しかし・・・・
結果はもちろん「該当なし」
このアプリにおいては、禅寺として曹洞宗は「無いもの」となっています。
すなわち、この魅力的なアプリを利用する方にとっては、曹洞宗寺院の情報が埋没(欠落)してしまっているのです。
曹洞宗関連のアプリコンテンツも、宗門を挙げて本気で取り組んでいく必要がありそうですね。