電力需給と節電効果

まもなく梅雨明け。
梅雨が開けると本格的な夏を迎えます。
東日本大震災以降、電力需給が逼迫し、昨年は関東地方を中心に計画停電が行なわれました。

2011年を中心に、一時間分の電力需要のデータが東京電力から公表されています。
そのデータをもとに、2010年、2011年、2012年の電力需要(東京電力管内でどれだけの電力が消費されているか)をグラフにしてみました。
(データ量が膨大なため、私の非力なパソコンでは処理に時間を要しました><)

まずは、こちらを御覧ください。

20120704-04

図をクリックすると拡大します。
電力需要の大まかな流れとしては、電力消費のピークが夏場にくることがわかります。
グラフを細かく見ていくと、1日毎に、深夜から早朝にかけて下振れし、昼間にピークを迎える変動を繰り返しています。
青(2010年)、赤(2011年)、青(2012年)の幅をもった線に見えるのは、一日の需要最小値と最大値の幅ということになります。

電力会社は、夏場の最大需要時間にあわせて発電所を計画します。
東日本大震災の前、2010年には、6000万KWの最大需要がありましたので、これを賄うだけの発電設備が稼働していました。

赤(2011年)グラフに着目すると、3月11日以降、前年(青)よりも電力需要がかなり低下しています。
災害による工場の操業停止、計画停電、企業や家庭が取り組んだ節電の結果によるものです。
また、それほど暑い夏ではなかったことも幸いし、電力需要のピークが5000万KWを少し上回る程度で済んでいます。

さて、今年はどうでしょうか。
東日本大震災以降初めて迎えた冬(2012年の緑グラフ1月1日~3月31日)は、2010年、2011年に比べて低い値で推移しています。
これは、節電効果によるものが大と考えられます。

3月の部分を取り出して拡大したグラフがこちらです。

20120704-05

第1図のごちゃごちゃした部分がよりはっきりして、一日の電力需要の変化がよくわかります。

さて、問題はこれからです。
梅雨が開けた後、本格的な夏を迎える7月半ばから8月が正念場です。

下のグラフは7月1日から7月31日までの部分を拡大したものです。
東京電力のデータは一日前まで出されていますので、今年のデータは7月5日分までを盛り込みました。

 

20120704-06

2010年には、7月23日の午後2時ぐらいに電力需要のピークを迎えています。
グラフを見て分かるとおり、この昼前後数時間の間にグーンと電力需要が高まり、2時前後にピークを迎え、夕方に向けてグーンと下がっていきます。

夏場のこの時間帯の節電が重要であることがよくわかります。
今年は、赤い線と緑の線がほぼ同一のカーブを描いていますので、昨年並みの需要動向のまま推移しているようです。
節電行動が定着している証拠です。

ただ、昨年は稼働していた原子力発電所は、次々と停止し、現在は東京電力エリアでは、原子力発電所の稼働がゼロとなっています。
より一層の節電行動が求められます。


○夏の節電は、7月~8月の平日の午前9時から午後8時の節電につとめる。
○その時間帯のうち、午後1時から午後4時の節電が特に重要。
○それ以外の時間帯は無理に節電する必要はない。

とにかく、電力需要の状況をリアルタイムに把握して、効率良い節電行動を無理なく行うことが大切でしょう。

 

具体的な節電行動として、政府のポータルサイトに判りやすい取り組み事例が紹介されています。
節電.go.jp〈政府の節電ポータルサイト〉

投稿者: kameno 日時: 2012年7月 6日 12:08

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