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放射線は、それ自体が不可視であり、無味無臭であるため、気づかないうちにいつのまにか影響が出るのではないかという「見えない」ということが不安を増強させています。
また、汚染地域の除染にあたって、従来の線量計だけでは何処を重点的に作業を行なったら良いのかが掴み辛く、作業効率は著しく低下します。
しかし、これを解決する技術が実用化されそうです。
電波天文学の領域では、宇宙に分布するガンマ線発生源を観測するための高度な技術が用いられています。
宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 (ISAS/JAXA)では、過去15年にわたり、宇宙ガンマ線の高感度観測をめざして宇宙に於ける放射性物質の核種を識別し画像化する観測機器を開発してきました。
その技術を地上応用し、さらに広い視野と固有なガンマ線を識別する能力を持たせることにより、地表や家屋に分布しているセシウム137 (Cs-137) や セシウム134 (Cs-134)などの可視化を実現した「Si/CdTe 半導体コンプトンカメラ」の実証実験結果を公表しました。
その結果がこちら。
飯館村草野地区における環境放射線分布測定試験結果報告
(独)宇宙航空研究開発機構/(独)日本原子力研究開発機構/東京電力(株)
日時 平成24年2月11日(土) 9:00~16:00
(1)飯館村公民館近くのスーパー裏手
(2)飯館村公民館近くのスーパー正面
(3)飯館村草野 綿津見神社近辺山林
※画像は、JAXAプレスリリース資料より引用
この結果を見ても、放射性物質がまだら状に分布していることが分ります。
測定値の高い場所がピンポイントで分りますので、その部分を重点的に除染すれば、効率的に作業できます。
また、全体を一様に除染作業する場合に比べて、汚染土の量は飛躍的に減少するでしょう。
用いられた測定機器は、
左の画像については、 超広角コンプトンカメラ(JAXA)が用いられています。
ハッチバックのドアが映りこんでいますね。
また、右側の画像については、 杖のようにポイントポイントで測定していくガンマプロッターH(JAEA)、 電離箱式サーベイメータ、GM管式サーベイメータ(東京電力)
※画像は、JAXAプレスリリース資料より引用
というものです。
超広角コンプトンカメラは、まだ車のトランクを占領するほど大きなものですが、さらなる小型化と測定時間の短縮化を目指しているそうです。
このような技術の実用化は最優先で行っていただきたいことだと思います。
まずは、除染を徹底的に進めていき、元の安心して暮らせる土地を取り戻すこと、
そして、その次の段階では、日本から世界に向けて、この技術を「輸出」し、世界に貢献していくことも出来るでしょう。
技術立国たる日本の再生する道筋は、自ずと見えてきます。
またfbにお借りいたしました(^^;
投稿者 Eibun Aki | 2012年4月 9日 12:14