サバイバルシート

今月の民生児童委員月例会で、一人暮らしのお年寄りの方に配布するよう用意されたサバイバルシート

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見かけは町で配られているポケットティッシュとほぼ同じサイズ、重さですが、中にはアルミ蒸着ポリエステル製のシートが折りたたまれて収納されています。
広げると、2.1メートル×1.3メートルの大きさになりますから、セミダブルベッドロングサイズよりも一回り大きなシートです。

このシートは、片面が金色、もう片面が銀色に塗られていて、用途に応じて使い分けることが出来ます。
金色は光や熱を吸収し、銀色は光や熱を反射するという性質を利用したものです。

金色が表になるように使用=体温の低下を防ぎ、保温効果を目途
銀色が表になるように使用=炎天下など外部の熱を防ぐ目途

となります。
また、通気性が全く無いので、防風、防水効果に優れています。
外出する際に、いざというときの為に持ち歩くのに便利なグッズですね。

 

ここで、金と銀の性質をもう少し詳細に見ていきましょう。
何故、金は金色で、銀は銀色なのか。
金、銀、銅は元素周期表では第11族に属し、銅族元素とも称されます。
第11族元素は腐食されにくい貴金属性を持ち、貨幣の材料として重宝されます。

その周波数による反射率の違いを見ていくと金、銀、銅の色の違いが良くわかります。

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図・金、銀、銅の波長ごとの反射率

 

銀は、可視領域(380~780nm)の光はほとんど反射してしまいます。
これが、「銀色は光や熱を反射する」という性質を如実に表しています。

対し、金は、波長が600nmより短い光は、波長が短くなるにつれて反射率が急減します。
つまり、緑青紫系の光は反射率が低く吸収され、黄、橙、赤の光は反射されて私たちの目に入るために、それが複合的に混在して金色として認識されるのです。
金色は銀よりもずっと光を吸収しやすいという性質が良くわかります。

ちなみに、銅は黄色~緑の反射率が金よりも低く、赤の領域の反射率が高いため、金よりも赤みがかかって見えます。

昨日の記事で、福寿草の花がパラボラアンテナのようになり、光と熱を集めるという記事を書きましたが、光や熱を集めやすい金色に近い色に輝いているというのも、智恵の一つなのでしょう。

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いかにも温かそうですね。
この温かさに誘われて、虫たちが集まってくるという仕組みです。


追記

サバイバルシートの金は、もちろん金箔ではなく、銀色のシートに黄色い膜を重ねています。
これは、折り紙の「金色」と同じ原理です。
これにより反射スペクトルは、上記の金と近いものになり、金色に見えるのです。

投稿者: kameno 日時: 2012年2月28日 01:05

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