お墓参りにマイリポイント

前に地域通過の特徴と、お寺にも適用するべきとしたブログ記事を書きました。

元気をもたらす地域通貨(2)

これに関連して、今はやりの「ポイント制」を墓参に導入している霊園も出ています。


お墓参りするごとに貯まるマイルならぬ“マイリ”   「マイリポイントカード」

mairiポイントカードは馬鹿にならない。普段、何気なく通っている行きつけの店で、不意に「現在、ポイントが○○円分溜まっております」と教えられる、あの瞬間。その額の思いも寄らない溜まりっぷりが、実に嬉しいのだ。“ポイント額”も、ひとつの財産です。
話は変わって、“お墓参り”。ぶっちゃけ、自分でもキチンと通っているとは言い難い。なるべく顔を出して、ご挨拶するべきだとはわかっているのだが……。

そんな時、気になる情報を耳にした。千葉市にある「幕張霊園」では、非常に斬新なサービスを開始したそうなのだ。その名も「マイリポイントカード」。
「マイル」ではない。「マイリ」である。要するに、お墓“参り”をすることでポイントが加算されていくカードのこと。
システムは、こうだ。たとえば、お墓参りに訪れたとする。その際は、霊園の受付にカードを提示。すると、1回につき30マイリ(30円)のポイントが加算されていく。他にも、買い物をした場合。お供えのお花だったりを購入すると、価格の3%がマイリとして上積みされていく。そして、霊園で一番大きな買い物といえば“お墓”。このお墓が100万円するとしたら、3万マイリ(3万円)がカードに蓄えられるのだ。そうすると、しばらくはマイリでお花などが購入できるというワケ。マイリがなくなれば、現金で商品を購入することになるが、それはそれでマイリが溜まっていくことになる。
ハッキリ言って、お墓参りでこんなサービスは今までなかったと思う。どうして、このような試みを始めたのか? 直接、霊園に伺ってみた。
「普通の人がお墓に訪れる機会と言えば、春と秋のお彼岸と、お盆、そして命日。多くても、この年4回だと思うんです。しかし、幕張霊園は高速道路のパーキングエリアから歩いて行ける場所にあるので、通常の日でもお越しいただける立地なんですね」
ゴルフに行くついでにプレイに関する知恵をもらいに来たり、デイリーやウイクリーにお墓参りをしてもらいたい。そしてご提供するポイントを、またご先祖様に使ってほしい。そんな風に、同霊園は考えているのだ。
また、ポイントカードを始めたことで、もう一つのメリットが。
「お墓参りの際、マイリを加算するには受付に寄っていただくことになります。そこでお顔を見せていただくことで、皆さんとお話をさせていただけますよね。『今度、こういうイベントをやりますよ』なんて会話が弾めば、明るい霊園づくりにつながるんです」
また、大事なのはポイントカードにお墓の区画番号を記載していること。霊園にあまり来る機会がない方は、お墓の場所を忘れることだって珍しくない。
実際、「佐藤」さんが隣の「佐藤」さんのお墓に訪れていた、なんてケースもあったそうで……。そんなトラブルを防ぐための、お墓の名刺代わりの役割も果たす。
そんな「マイリポイントカード」のサービスは、今月(※2010年4月)の1日からスタートしたばかり。「幕張霊園」自体、開園したのは今年(※2010年)の4月28日で、できたてホヤホヤなのだ。
キレイで明るい霊園にある、斬新なポイントサービス。気軽に足を運んで、是非とも“マイリ”を貯め込んでいただきたい。


お墓参り=参り⇒マイリ・・・・・

ネーミングの妙もありますが、そのサービス内容には注目すべき事項も含まれています。
マイリポイントカード」のサービスがどのように推移していくのかに注目していきたいと思います。

さて、この制度を、お寺に導入した場合はどのようなことが考えられるでしょうか。

お寺のお墓にお参りいただいく際に、必ずしも全檀家さんが本堂の本尊様に参拝し、玄関にご挨拶に来られるとは限りません。
記事中にあった「お墓参りの際、マイリを加算するには受付に寄っていただくことになります。そこでお顔を見せていただくことで、皆さんとお話をさせていただけますよね。『今度、こういうイベントをやりますよ』なんて会話が弾めば、明るい霊園づくりにつながるんです」という部分は大きいと思います。
墓参が楽しくなり、墓参の数が増えることによってお墓を綺麗に維持できるという効果も期待できるでしょう。

 

寺院で導入する場合には提案事項があります。
法定通貨ではなく、寺院共通の「地域通過」に還元する仕組みにするのです。
このことにより、さらに一歩進んだシステムとなります。
「幕張霊園」の事例では、1マイリ1円に換算というように、法定通貨に換算されていきます。
ここを法定通貨ではなく、地域通貨に還元させるようにするのです。

・お墓参りをして100テラマイル
・境内清掃に参加して1000テラマイル
・責任役員会に出席して500テラマイル
・・・・とか。

法定通貨よりも地域通過の方がよほど「お布施」の概念に適合するとさえ言ってもよいでしょう。
砕けた言い方をすれば、ご本尊さまからのプレゼントです。


何よりも、地域通貨のシステムでは、通帳に記載されている「黒字」や「赤字」は、特定の人に対する債務とはなりません。
そして地域通貨の流通するコミュニティー全体へのコミットメントにもなります。

数年後には通貨の概念がガラッと変わっている、ということになるかもしれませんね。

投稿者: kameno 日時: 2011年1月31日 12:29

コメント: お墓参りにマイリポイント

今回の記事、とても興味深く拝見しました。

実は......以前Kameno先生にも色々相談に乗ってもらい、何とか軌道に乗ったSZI発→當寺導入の「塔婆供養で植林支援」(當寺では「先祖供養で植林支援」と代名)のシステムに、そのマイル的な発想を以前導入しようと案を練った時がありました。

要は、証明書が○○枚たまるとある特典がつきますよ!的な感じです。

さすがに還元するのが現金だと支障があると思い、通常のご法事一座を特別施食に当てるとか、そのお宅が本山研修に参加する場合には特別助成金を当てるとか......色々案を練りましたが未だ実行に至っていません。

まだ当該地方では、先祖供養にそういうマイル的発想が受け入れられにくい保守的な土壌があります。

でも......時代は確実に変わってきているのですね。今回の記事を見てそう思いました。

結局、未だ実行に至れていない真の理由は......私の中でまだ消化しきれていない部分があるからかもしれませんね(^^;

今度色々アイデアをお聞かせ下さいm(__)m

投稿者 叢林@Net | 2011年1月31日 22:46

叢林@Netさま
現金のやり取りは「現実的」だけど、「地域通貨」のようなものであれば、なお受け入れやすいのかとも考えましたが、それが難しい地域も確かにあるでしょうね。
布施は見返りを求めてするものではないですから、「気付いてみたらいつの間にか溜まっていた」くらいのユルいマイル的発想が概念的にしっくりきそうだと個人的に思います。
そのあたりをもう少し突き詰めて考えてみたいものです。

投稿者 kameno | 2011年2月 2日 00:46

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