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「認知症の理解と援助」という内容の研修会に参加してきました。
【用語の定義】
認知症とは
「一度獲得した知的機能(記憶・認識・判断・学習など)の低下により、自己や周囲の状況把握、判断が不正確になり、自立した生活が困難になっている人の状態」
■認知症をよく理解するための9大法則・1原則
(1)記憶生涯
記銘力低下=話したことも見たことも直後に忘れるほどの物忘れ。同じことを繰り返す
全体記憶の障害=経験したこと全体を忘れる
記憶の逆行性喪失=現在から過去に遡り忘れていく
(2)症状の出現強度
身近な人に対して認知の症状が出る
(3)自己有利
自分に不利なことは認めない
(4)まだら症状
正常な部分と認知症の部分が混在する
(5)感情残像
理性の世界から感情の世界へ
(6)こだわり
説得や否定はこだわりを強めるのみ
(7)作用・反作用
強く反応すると強く反ってくる
(8)認知症症状の了解可能性
老年期の知的機能低下の特性から全ての認知症の症状が理解、説明できる
(9)衰弱の進行
認知症の人の廊下速度は非常に速い
以上の法則を踏まえ、認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。その世界とのギャップを感じさせないようにするという原則を実践することが大切。
例えば(5)の法則を踏まえて、相手を褒める、感謝する、話の中で相槌をうつ、共感「よかったね」を付け加える、謝る、事実でなくても認める
(2)(6)の法則を踏まえて、こだわりの原因をみつけて対応する、そのまま放っておく、第三者に登場してもらう、 場面転換をする、地域の協力理解を得る、一手だけ先手を打つ、本人の過去を知る、長期間は続かないと割り切る・・・・
などなど、具体的な事例を元に研修は進んでいきました。
認知症の問題は、高齢者だけではなく、若年記に発症する事例も少なくありません。援助する側からいつ援助される側になるかも判りません。
認知症への正しい理解と対処、そして早期診断が大切であるということでした。
近年、平均寿命の急速な伸びによりライフサイクルの変化が顕著になっています。
例えば子育て後の期間(末子独立後、親は何年生きるか) をみると
■大正 男性 6.4年 女性10.6年
■現在 男性 24.3年 女性32.4年
ひとり世帯、夫婦ふたり世帯の増加、精神や身体に特に障害をもたず、元気で活動できる高齢者が増加しています。
また、要介護認定者の2人に1人、居宅にいる要介護認定者の3人に1人、施設に入る要介護認定者の8割は認知症が見られるということです。
「何らかの介護、支援を必要とする認知症がある高齢者(認知症自立度II以上)」は
2005年 169万人
2015年 250万人
2025年 323万人
となるという報告(『高齢者介護研究会報告』2003.6.26)もあります。
高齢化社会が幸福な社会をもたらす源になりますよう、心から願います。
亀野さん、おはようございます
「認知症」これは個人主義を基調にした「核家族化」の現代社会が生んだ最大の「陰」の部分だと思います。矢張り、昔の大家族制度に近い社会の復活に心掛け、「皆で支え合う社会」へ戻すべきではないでしょうか?「ひとりほっち」の周辺との対話の少ない一人住まいの人達に「認知症」に掛かられる方が多いと伺っています。
歴史協議会が地域ケアプラザのデイサービスで行っている「古写真のスライドショ?」は大変好評です。昔の「記憶の蘇り」だけでなく、デイサービスに来られている人達同士の話題が増え、お互いの間で会話かをする「種」になっている様です。これ程にお互いの間の「会話の種」が無くなっている現代社会に驚きました。
昔の「縁台将棋」が懐かしいですね。
投稿者 ちのしんいち | 2010年7月13日 10:32
ちの様
そうですね、世代に亘る家族構成から核家族化、高齢者のみの世帯や一人暮らし世帯の増加によって日常の会話自体が減っています。
会話の種の提供は一つの威儀ある活動であると思います。
縁をつなぐ「縁台」の復活をすすめていく必要がありますね。
投稿者 kameno | 2010年7月14日 06:26