新型インフルエンザ発生件数増加

新型インフルエンザ(A-H1N1)は、この夏に着実に広がりをみせており、神奈川県衛生研究所感染症情報センターのインフルエンザ患者報告数も増加の一途を辿っています。
身近なところでも、かなりの数の感染者が見られますし、学級閉鎖も珍しいことではなくなっています。



平成21年・40週 (9月28日? 10月4日) 神奈川県感染症発生動向概要

■今週の注目感染症 ?インフルエンザ?
インフルエンザの定点当たり報告数が、8.05人と前週(3.84人)よりも増加しており、引き続き注意が必要です。年齢階級別では、10-14歳が42.4%、5-9歳が23.0%、15-19歳が18.0%を占めています。この報告では従来の季節性インフルエンザと新型インフルエンザの区別はしていませんが、大半は新型インフルエンザによるものと考えられます。発症者の多くは、発熱、咳、咽頭痛などの季節性インフルエンザと同様の症状ですが、注意が必要です。予防のために、うがい、手洗い、マスクの着用、咳エチケットを心がけ、人が多く集まる場所には注意しましょう。



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(図は厚生労働省のサイトより引用)       

このように、新型インフルエンザの流行は既に第三段階初期(感染拡大期)の段階に入っていると見られますので、現段階において重要なことは、ワクチンの投与を効率的に進めることにより、第三段階中期(蔓延期)の感染のピークをいかに抑えることができるかということでしょう。
そのために、官民が一体となって行動計画を定め、秋冬の社会的混乱が起こらないよう、起こったとしても最小限となるように体制を整えていかなければならないと思います。
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宗門でも新型インフルエンザ対策啓発のためのポスターが発行されました。
このほか、各自治体、関連機関からさまざまな啓発ポスターが頒布されています


さて、ここで話を一歩進めて宗門・寺院に求められるさらなる対策を考えてみます。

以前、ブログ記事にも書いたとおり、流行第三段階(感染拡大?蔓延期)における宗門、寺院への影響を考えると、葬儀、法事、各種大会、会合、僧堂などへの相当大きな影響が考えられます。

既に梅花流全国奉詠大会の延期や大本山總持寺での集団感染などがありました。今後、蔓延が進むに従って、通常の寺院の活動そのものに支障が生じる可能性も考えられます。


現段階においては厚生労働省の次の指針が参考になるでしょう。


新型インフルエンザに関するQ&A (厚生労働省8月31日版)

Q 集会やスポーツ大会は、中止しなければならないのですか。

A 集会やスポーツ大会についての、一律の自粛要請は行われていません。感染の広がりを考慮して開催を決定するとともに、病み上がりや体調不良気味、発熱症状のある方には参加や観戦を遠慮してもらうように徹底して呼びかける、人と人が近い距離で接触しないようにするなど、運営方法を検討してください。



個々の寺院レベルでは、葬儀や法事をどのように行うということも、これまで述べたように、それぞれの寺院裁量に任されるということになりますので、私たちに課せられた責任は重といえます。


インフルエンザ対策啓発のためのポスターにあるように

 ・予防のために、うがい、手洗い、マスクの着用、咳エチケットを徹底する
 ・少しでも兆候が見られたら医療機関に相談し、マスクを着用し、外出を控える


さらに寺院や会館などに法要行事などで集まる方に対して、
 ・インフルエンザの兆候のある方の外出を控えるよう促す
 ・咳が出る場合にはマスクの着用を必須とする
 ・玄関や入口で消毒液で洗浄いただく

ことを徹底していくことが必要だと考えます。

寺院・僧侶側にとってみれば、人に接する機会の多い僧侶、寺族、関係寺務員などは、優先的にインフルエンザワクチンを接種することも併せて行なう必要がありましょう。。


但し、現段階においては政府が今月、ワクチンの優先順位を次の通り決定していますので、その後可及的速やかに接種する必要があるでしょう。
   1)インフルエンザ患者を診る医療従事者
   2)持病のある人と妊婦
   3)1歳から小学校低学年までの子ども
   4)1歳未満の乳児の保護者と優先対象だがアレルギーなどで接種を受けられない人の保護者
   その他)小学校高学年、中高校生、持病のない高齢者


なお、新型インフル接種には2回分6150円の費用がかかるとのことです。

優先順位が回ってくるまでの間は、季節性インフルエンザワクチンを速やかに接種しておくということも一法かもしれません。
接種に関する負担は少なくありませんが、社会的責任を考えると必要なことでしょう。

さらに、注目すべき技術が先月プレスリリースされています。



世界初100%分解・除去
ストリーマ放電技術による「新型インフルエンザウイルス」 への効果実証

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ダイキン工業株式会社は、ベトナム国立衛生疫学研究所のレ・ティ・クイン・マイ博士(以下、マイ博士)との共同研究により、強力な酸化分解力を持つ当社独自のストリーマ放電技術が、現在世界中で猛威を振るっている「新型インフルエンザウイルス:A型 H1N1※1」(以下、新型インフルエンザウイルス)を4時間で100%分解・除去することを世界で初めて※2実証しました。
ストリーマ放電技術によって、新型インフルエンザウイルスの表面のタンパク質が酸化分解され、感染力を失ったことにより今回の実証結果が得られたと考えられます。
昨今の国内における新型インフルエンザ感染者数の増加により、ウイルスに対する警戒が強まっています。当社のストリーマ放電技術は、本年5月に「強毒性ヒト由来鳥インフルエンザウイルス:A型H5N1」を3時間で100%分解・除去することが実証されたことをはじめ、季節性インフルエンザウイルス、ノロウイルス、食中毒の原因となる毒素や細菌、ホルムアルデヒドなどの有害物質の不活化効果が実証されており、生活を脅かすウイルス感染を予防する技術として期待されます。


ストリーマ放電やナノ技術を使った製品はいくつかありますが、100%分解・除去というのは凄いと思います。

葬儀、法事は重要な宗教行事です。
いくら「兆候のある方の外出を控えるよう促す」という啓発を行なっても無理を押して参列してしまう可能性があります。
明後日には大本山總持寺で御征忌があり、全国から多くの方が集まります。
こちらへの影響も心配です。


したがって、本堂、客間、会館などにこのような技術を導入した機器を設置するということも効果的かもしれません。

28畳用で3万円くらいの機械です。
導入する価値はありそうです。

■さいごに
私たちに求められるのは、冷静な行動です。
マスコミの報道には濃淡があります。また、私たちの注意意識もなかなか継続しないことがあります。
正確な知識を持ち、予防に努めることはもちろん、自分勝手な判断を行わず、常に最新の情報収集を怠らず、まずは行動指針を打出すこと、そしてそれを「継続的に」遵守していくことが求められています。


■日ごろ注視すべき関連機関の例

国立感染症研究所 
厚生労働省  
世界保健機関(WHO)
アメリカ合衆国・疾病対策センター
国立医薬品食品衛生研究所  



蛇足1
日本から海外への支援として、単純にお金を渡すのではなく、こストリーマ放電技術を使った空気清浄機を送るような支援はどうだろうかと思います。
例えば日本で製造した空気清浄機を海外の政府機関、公共施設、学校、教会、モスク、寺院に送ることにより、日本側の企業も恩恵を受けますし、送られた側も有効に使うことができるのではないでしょうか。
なによりも、新型インフルエンザのような伝染病は、世界規模でぐるぐる巡っていきますので、各地での感染のピークを抑えるということが、結果的に日本にとっても有益なこととなるはずです。

もちろん、日本においても、人が集まるような各拠点での新型インフルエンザ対策は連携して行なっていく必要があります。
その各拠点の中には、当然寺院も含まれます。

蛇足2

新型インフルエンザに掛かっていない人が予防のためにマスクをつけることは、それほど効果が無いようです。


?新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方
新型インフルエンザ専門家会議(平成20年9月22日)

要 約
1.症状のある人が、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不織布製マスクを積極的に着用することが推奨される(咳エチケット)。
2.不織布(ふしょくふ)製マスクのフィルターに環境中のウイルスを含んだ飛沫がある程度は捕捉されるが、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用することで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない。よって、咳や発熱等の症状のある人に近寄らない(2メートル以内に近づかない)、流行時には人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つ、といった感染予防策を優先して実施することが推奨される。
3. 不織布製マスクのほとんどは諸外国で生産され、輸入されているため、新型インフルエンザ流行前に準備しておくことが推奨される。流行期間に応じたある程度の不織布製マスクの備蓄を推奨する。


今日の記事はSOUSEI on Web の拙稿に私的意見を加味して再編してものです。

投稿者: kameno 日時: 2009年10月10日 14:17

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