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公共的施設における受動喫煙防止条例 の続報記事です。
「公共的施設における受動喫煙防止条例」の条例案が先月末、神奈川県議会において賛成多数で可決、成立しました。
施行は来年(平成22年)4月1日より。罰則規定を設けた全国初の条例となります。
大まかに言うと、寺院境内、火葬場、葬祭場、納骨堂、学校や病院、官公庁、公共交通機関など公共性の高い施設の室内においては原則禁煙となります。
違反者には過料(施設管理者2万円、個人2千円)が科せられます。
条例の全文はこちら
⇒神奈川県公報 (平成21年3月31日/PDF)
条例を簡潔にまとめると
■第1種施設は原則禁煙 ■第2種施設は分煙・喫煙を選択できる ■第2種の次の施設は分煙化への移行に3年の猶予 ■該当しない場所 ■罰則 |
規制対象施設一覧 (第1種施設)
(1)幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校その他これらに類するもの
(2)ア 病院、診療所又は助産所 イ 薬局 ウ あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師又は柔道整復師の施術所
(3)劇場、映画館又は演芸場
(4)観覧場
(5)ア 集会場又は公会堂 イ 火葬場又は納骨堂 ウ 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
(6)展示場
(7)体育館、水泳場、ボーリング場その他の運動施設
(8)公衆浴場
(9)百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗
(10)銀行その他の金融機関
(11)郵便事業、電気通信事業、水道事業、電気事業、ガス事業又は熱供給事業の営業所
(12)ア 公共交通機関を利用する旅客の乗降、待合いその他の用に供する施設イ 旅客の運送の用に供する電車、自動車その他の車両又は船舶(運行する路線又は就航する航路の起点及び終点が県内にあるものに限る。)
(13)図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
(14)動物園、植物園、遊園地その他これらに類するもの
(15)老人ホーム、保育所、福祉ホーム、老人福祉センター、児童厚生施設、身体障害者福祉センターその他これらに類するもの
(16)官公庁施設
(17)前各項又は別表第2の各項に掲げる公共的施設が所在する建築物又は工作物(出入口、廊下、階段、エレベーター、便所その他の一般公共の用に供される区域に限る。)
として、利用者に選択の余地が無い(もしくはほとんど無い)、代替性が低い施設、健康維持や健康増進を目的に利用される施設、多数の者が集合して利用する施設及び他法令(条例を含む。)等により喫煙が規制されている「第1種施設」として分類されています。
条例(案)では
(6) 集会場 公民館、児童館、結婚式場、葬祭場、火葬場、納骨堂、境内建物、その他これらに類する施設
(5)ア 集会場又は公会堂 イ 火葬場又は納骨堂 ウ 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
となっております。
境内建物という表現では分かりづらかったため、より具体的な表現としたのでしょう。
したがって、お寺の本堂、客間、境内建物(庫裏を除く)については、禁煙が義務付けられることになります。
喫煙の中止等の求め(14条)どのように求めるか、今のうちに練っておこうと思います。
施設管理者は、その管理する喫煙禁止区域において現に喫煙を行っている者を発見したときは、その者に対し、直ちに喫煙を中止し、又は当該喫煙禁止区域から退出するよう求めなければならない。
【4月21日追記】
丁度タイムリーな記事がありましたのでご紹介します。
健康の「とげ」抜く禁煙寺 ?医師の住職が取り組み、街に浸透?
「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる東京・巣鴨の地蔵通り商店街で、禁煙の動きが広がっている。 仕掛け人は、医師でもある「とげぬき地蔵尊・高岩寺」の来馬明規住職(46)だ。たばこと、仏教と、医学はどうつながるのか。高岩寺の入り口には「境内全域禁煙」と書いた縦3メートル横80センチほどの垂れ幕が下がっている。境内には同じ垂れ幕が11枚、至る所に禁煙を呼びかけるシールもはられる。
来馬住職が父の跡を継いだ05年末、禁煙区域は本堂のみで、広場には灰皿が置かれていた。 しかし、「延命地蔵を本尊とする寺で、たばこを禁じて長生きを願うのは究極の菩薩行だ」と、住職は07年1月、境内を全面禁煙にした。
当初は「住職の個人的な趣味じゃないか」という批判もあったが、寺に勤務する僧侶や従業員のうち喫煙者だった10人の禁煙を全員成功させ、現在は縁日の露天商にも禁煙 を徹底してもらっている。
こうした寺の方針は次第に商店街にも浸透。店内禁煙の店や、軒先から灰皿を撤去する店が徐々に増えている。 巣鴨地蔵通り商店街振興組合の木崎茂雄理事長(65)は「お客様からは『灰皿がなくて困る』という声も聞くが、高岩寺あっての地蔵通り。 喫煙者にも救いの手を差し伸べつつ、時間をかけてお寺のやり方についていかないと」。
来馬住職は内科・循環器の医師。現在も都内の診療所などで診療を続けている。臨床医としての経験から、「たばこが脳卒中や心臓病につながるのは明らか」という。
仏教には元来、具体的に喫煙を禁じた教えはないが、来馬住職は「最勝の善身を徒らにして露命を無常の風に任することなかれ」という曹洞宗の経典『修証義(しゅしょうぎ)』の一節を挙げる。
かけがえのない命を粗末にしてはならないという意味だ。 素直に受け取れば、たばこを吸うなということになるはずという。
「年間800万人とも言われる参拝者の0.1%でもたばこをやめてくれれば、8千人になる。禁煙外来でも大した業績です」と力を込める。
(朝日新聞2009年4月21日夕刊)
条例で規制される以前に、僧侶が率先して禁煙行動を推進している好事例です。
こうでなくっちゃ、ね。
> kameno先生
いつも手伝いに行っている寺では、拙僧自身がタバコ嫌いということもあって、或る時から灰皿を取り去ってしまいました。「灰皿下さい」という人には、「文化財になるかもしれない木造建築物なので、喫煙はご遠慮ください」などといいました。すると、徐々にみんな分かってきたようです。
なお、今年の4月、本当に文化財指定を受けました。嘘も方便とはよく言ったものです・・・
投稿者 tenjin95 | 2009年4月20日 10:00
tenjin95さん
タバコの弊害は健康被害だけでなく火災という側面もありますね。
最近は特に文化的価値の高い建物の火災が続いていますので、なおさら理解を得られることと思います。
それにしても文化財指定とのこと、方便が現実となりましたね!
投稿者 kameno | 2009年4月20日 10:48
私のところでは、喫煙所以外は禁煙にしました。
昨年も「禁煙宣言」をしたのですが、一部の御寺院さんがそれを無視して喫煙。僧侶自身の問題意識の浅さを感じました。
生きている限り、他人に迷惑をかける事は仕方が無い。ならば極力迷惑をかけないようにしようと発言・指導するのが僧侶だと思うのですが。
投稿者 うさじい | 2009年4月21日 08:12
うさじい様
これからは「不許葷酒煙草入山門」と山門に掲げないといけないかもしれませんね。
むしろ僧侶が率先して禁煙を推進していかなければならないと思います。その意味でタイムリーな新聞報道がありましたので記事に追記させていただきます。
投稿者 kameno | 2009年4月21日 20:54
高岩寺様は、私のところの副住も近くのお寺様もお世話になっています。現住様がご修行から帰ってこられてから、このことを始めたそうです。
お医者様とすれば当然のことかとも思いますが、日本人の医者の喫煙率は諸外国から比べても高いとか。
フランスの喫煙したら医師資格剥奪と言うのと雲泥の差ですね。
投稿者 うさじい | 2009年4月22日 05:40
うさじい様
僧侶でもあり内科・循環器の医師でもある方のことばは重みがありますね。
投稿者 kameno | 2009年4月22日 08:28
kameno様
禁煙防止条例これはいいですね。私のところでは住職が喫煙しないので、つい灰皿を出すのを忘れてお客様より請求されることがしばしばです。禁煙は真には違わないのですが、なかなかこちらの方から言い出せないですねーー。一人真を発すれば十歩嚫財にきすですね。
投稿者 ゼラニウム | 2009年4月23日 08:48
ゼラニウム様
灰皿を要求されると、つい出してしまいますよね。けれども、これからは心を鬼にして・・・・というよりは例えばアメを差し上げてみるのは如何でしょう。
投稿者 kameno | 2009年4月24日 00:44