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「Buy Nothing Day」という日をご存知でしょうか。
これは、1992年カナダから始まったカルチャー・ジャミングのエコ・ムーブメントです。
毎年11月終わりに開催されるイベントで、今年で15年回目を迎え、62か国150万人以上が関わりました。
日本では「無買日」として広まっています。
「Buy Nothing Day」・・・「無買日」とは、1年に1日だけ、必要なのもの以外は買わずに過ごそうとする日です。
考えてみれば当たりまえのことですが、たくさんの商品が陳列されたスーパーに行ったり、ネットサーフィンをしたり、コマーシャルに接したり、私たちの周りには購買意欲を掻き立てるものに囲まれています。
ついつい、後で振り返ると必要のないものを買ってしまったという経験も少なくないはずです。
そこで、自戒を込めて、「無買」を誓い、消費行動を見直そうとするのが「無買日」の目指すところです。
今年、日本、デンマーク、フランス、イタリア、スェーデン、ドイツ、イスラエル、イギリスなどでは11月29日に行われました。
アメリカは一日早く、11月28日金曜日から行われました。アメリカでは、Thanks Giving Day の後の金曜日をBlack Fridayといい、大々的なバーゲンセールが行われ大量消費がなされる日でもあります。
だからこそ、やみくもに買い物をするのではなく、消費行動を見直すという行動が広がったのです。
さて、日本での「無買日」に、近年サンタクロースのパフォーマンスが見られるようになりました。
「禅タクロース」と呼ばれるものです。
(写真はBNDより)
なぜ、「禅」+「サンタクロース」なのでしょうか。
公式ページからその理由を抜粋してみます。
禅タクロース伝説 インスピレーションそれはゴミ置き場にサンタの衣装が捨てられていたのを見つけた時です。私の住む京都は日本でも間違いなく有数のゴミの量が多い都市です(人口1人当たり換算)。私、ガブリエレ・ハードは、1999年の「無買デー」に、どんなイベントを打とうか考えあぐねていました。そして、そのゴミ置き場を見た瞬間、全てが一つになったのです。
以前、禅をしている知人が「あなたが居る処から大改革が始まるんだ」、「買い物をする人たちの心の平穏を祈って瞑想しよう」と言っていたのを思い出しました。そこには捨てられたサンタの衣装があり、何かやりたいと人々が集まり、そして、ほら、禅タクロースができあがりました。阪急デパートのショウウィンドウでサンタの人形がダンスをしているその前で、禅タクロースはデビューしたのです。
(禅タクロース伝説、BND Japanのサイトより)
単なる一人の禅タクロースとしての行動が雑誌やメディアに取り上げられ、世界中に発信されることにより、禅タクロースは世界中にひろがりました。
禅とサンタクロースのコラボレーションという発想が面白いですね。
「禅タクロース」は、街頭での坐禅を行うことにより、「買い物という欲望」に疑問を投げかけ、禅定を通して現代社会のの消費について問題を提起しています。
サンタクロースには「子どもたちに夢を与える、西欧の伝統」という誤った先入観が植えつけられています。西洋的な消費主義の象徴であるサンタクロースが東洋の「禅」と結びついてこのような形になりました。
きっと道行く人々は思わず足を止め、何事かと思うことでしょう。
なぜサンタクロースが坐禅をしているのだろう!
その奥には、ここでご紹介したようなメッセージが隠されているのです。
ただし・・・・・
「カルチャー・ジャミング」は、「文化破壊」と直訳されますが、それを額面どおりに受け取ってしまい、単なる破壊行動となってしまっては本末転倒です。
せっかく「禅」と結びつけるのであれば、本来の「禅」についての学びを深め、「禅」の教えから消費行動を振り返ってみるということも大切です。
「ジャミング」が、単なる「破壊」ではなく、新しく「創造」を生み出す「既成概念の破壊」でなければならないと思います。
関連リンク
■カルチャー・ジャミング(ウィキペディア Wikipedia)