バイオディーゼルの普及をめざし

ゆめ観音アジアフェスティバルにコンタクトをいただいた「バイオディーゼル」の会社を訪問してきました。

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バイオディーゼルとは・・・・

バイオディーゼルとは、バイオディーゼルフューエルの略で、生物由来油から作られるディーゼルエンジン用燃料の総称であり、バイオマスエネルギーの一つである。 現在のところ厳密に化学的な定義はない。 原料となる油脂からグリセリンをエステル交換により取り除き粘度を下げる等の化学処理を施し、ディーゼルエンジンに使用できるようにしている。 Bio Diesel Fuelの頭文字をとってBDFと略されることもある(BDFは登録商標)。

ウィキペディア(Wikipedia)より引用


 

というようなものですが、この会社では、飲食店やスーパー等、家庭から出される廃油を集めて精製し、バイオディーゼル燃料を生産しています。


その利点は
・従来のディーゼルエンジンにそのまま使用できる
・黒煙が軽油の1/3?1/4程度に軽減される
・有害物質・発癌リスクを大幅に削減する
・排気ガスが天麩羅の香りになる
・エンジン寿命を延ばす
・カーボンニュートラルである


などなど、様々なメリットがあります。
環境にやさしい燃料ということで、近年特に注目されています。

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これが集められてきた廃油たちです。

主に、準備工程 ⇒ エステル交換反応 ⇒ 水洗浄・乾燥 という工程を経て精製されていきます。

途中のエステル交換反応とは、脂肪酸とグリセリンによるエステル結合の、「グリセリン」の部分を「メタノール」に置き換え脂肪酸メチルエステルを生成する反応工程です。
この脂肪酸メチルエステルがバイオディーゼルとなります。


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写真左上にある黄色い透明な油が精製されたバイオディーゼルです。

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精製されたバイオディーゼルは、このタンク車で配給されます。
なお、バイオディーゼルの燃料価格は、軽油の一般小売価格より10円程安く!設定されており、現在はリッター95円程度だそうです。


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排気ガスは、ほのかに天麩羅を揚げた時のような香り。
人体に有害な物質はかなり削減されています。

ただ、メリットばかりではなく、いくつか注意しないといけない点もあります。
それをいくつか挙げると

■ディーゼル車の排出ガス規制
短期規制(1993年)→長期規制(1997年)→新短期規制(2002年)→新長期規制(平成17年排出ガス基準, 2005年) →(予定)2009年規制(2009年)のように段階的に自動車排出ガス規制が実施されています。
せめてバイオディーゼル燃料を使う場合に限って例外処置をしてくれるといいのですが・・・・


■税金
軽油には地方税法第700条の軽油引取税が適用されいます。
バイオディーゼル燃料は軽油ではないので、100%使用の場合は非課税となります。
ただ、軽油と混ぜて使用する場合には課税対象となります。


■車両側の注意事項
バイオディーゼルは、軽油とほとんど同じように使用できますが、ゴム・樹脂を膨張・劣化させやすいこと、熱の影響により酸やスラッジ(固まり)を発生させやすいという特性があります。
したがって、このことに留意してエンジンのメンテナンスをこまめに行うことが求められます。

 

けれども、その注意点を十分に理解したうえで使用すると、メリットは余りあるほどである燃料であるといえます。
さらなるコスト削減の鍵は普及の促進でしょう。
多くの方に知ってほしいとのことですので、まずはこのブログにてご紹介させていただきました。

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代表取締役のKさんと、営業部長のYさん (現在社員2名で頑張っています)


この会社では、バイオディーゼル燃料及び、リサイクル洗剤の原料となる食用油廃油(てんぷら油)の回収を神奈川県内・藤沢市・横浜市・茅ヶ崎市・平塚市・小田原市・大和市の飲食店やスーパー、一般家庭等から行っております。

廃油回収の問い合わせはこちら




■関連リンク
株式会社 ロゼックス

■関連ブログ記事
バイオ燃料の功罪

投稿者: kameno 日時: 2008年12月 4日 18:18

コメント: バイオディーゼルの普及をめざし

> kameno先生

この辺は、行政の理解を始め、油を多く使う方々との連携も必要になってくると思いますから、地道な活動だけでは、展開するのは難しいように感じています。御指摘のように、多くの方に周知され、そして、ガソリン代が高くなったときの代替としてだけではなくて、根本的なエネルギー革命になるように期待しています。

投稿者 tenjin95 | 2008年12月 4日 19:08

tenjin95さん
仰るとおり、油を回収するしくみとそれを利用していく仕組みがうまく噛み合うことが必要ですね。
もしも油をコップ1杯分下水道に流してしまうとすると、その処理のために約60トン(標準的な浴槽200杯分)の水が必要となります。その意味からも、普及が進んでいくことを切に願います。

投稿者 kameno | 2008年12月 4日 22:43

Kameno様
先日は遠方の所、わざわざお越しいただきまして、ありがとうございました。
廃油の回収に関しましては、遠い方ですと、青森県から廃油が届いたりと正直、当方もびっくりしております。
微力ではありますが、せめて神奈川県の一般家庭の方々の廃油や賞味期限切れの油等、回収できるよう努力していきたいと思っております。

バイオディーゼル燃料が地域で普及していく為には、まずそこからではないかなとも思っています。

今後もイベントなどに限らず、いつでも回収できるような場所を確保し、下水に流したり等、極力無くしていけたらと思います。

ブログでのご紹介、ありがとうございました。

今後とも、何卒宜しくお願い致します。

投稿者 ROZEX | 2008年12月 7日 18:17

ROZEX様
先日はお忙しい中、ご丁寧な説明を頂きましてありがとうございます。
家庭から出る廃油は神奈川県全体でどれくらいになるのでしょう。また、飲食店や工場を含めると膨大な量になることが予想できます。
それらが固めて焼却されたり、一部は下水道に流されたりしているのであれば、バイオディーゼルとして有効活用することを推進したほうが良いと考えるのは当然です。
(私も以前、下水道に関する職場に居りましたので、下水に流された油にはずいぶん困らされました)
また、個人的にバイオディーゼルを燃料として利用するためにディーゼル自動車を購入しようかと考え、いろいろと探していますが、ディーゼル車自体が入手できにくい状況ということにも直面しています。
日本は過剰なディーゼル車アレルギーがあるような感じもします。
今秋には日産から低公害のクリーンディーゼル車がようやく発売されました。ディーゼルエンジン復活の原動力になってくれればいいのですが。

投稿者 kameno | 2008年12月 7日 23:52

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