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東電 CO2排出量3割増、柏崎刈羽年度内停止で 中越沖地震あす1年新潟県中越沖地震は、16日で1年を迎える。同地震で柏崎刈羽原子力発電所の停止という被害を受けた東京電力は14日、同原発の停止が今年度いっぱい続いた場合、原発停止分による二酸化炭素(CO2)排出量が前年度より3割増となる見通しを示した。同社全体の排出量も4%以上増えて1億3300万トン程度の見込み。地球温暖化防止に向けた京都議定書の第1約束期間が今年度から始まったが、同社のCO2排出量は逆に2年連続で増えることになり、原発の重要性が改めて示された。
東電によると、2007年度は柏崎刈羽原発の停止に伴い、前年度に約56%だった火力発電量の比率が約71%まで上昇し、約2300万トンのCO2が発生。猛暑などによる電力需要増加とあわせて、東電全体のCO2排出量は前年度比約30%増の1億2650万トンとなった。
今年度も通年で柏崎刈羽原発が停止した場合のCO2排出量増加分は約3000万トンとなる。東電は今年度の販売電力量を前年度比ほぼ横ばいの2960億キロワット時と見込んでおり、重油などに比べてCO2排出の少ないLNG(液化天然ガス)の利用増などで排出量削減を進めるが、原発停止分の上乗せは避けられない状況。
東電は08年度から12年までの5年間平均で、1キロワット時当たりのCO2排出量を1990年度比で20%削減する目標を持つが達成は困難さを増している。
経済産業省が、太陽光や風力など新エネルギーによる発電でかかったコストを電気料金に転嫁する新料金制度の検討に入ることが28日明らかになった。
日本の二酸化炭素(CO2)排出量の約3割は発電部門から出ており、経産省は、新エネルギー普及が、京都議定書で義務付けられているCO2排出量の1990年比6%減の達成に重要と考えており、政府として北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)で新エネルギー発電の普及の方策を説明する。
太陽光の発電コストは、1キロ・ワット時あたり約46円で、石炭火力や原子力の約8倍に上るため、経産省はコスト転嫁のための新料金制度を検討する必要があるとして、来月、省内に研究会を発足させる。研究会は、来春までに新エネルギーの拡大の費用がどのくらいか試算し、新料金制度について検討に入る。
国は、国内電力会社に、2014年度の新エネルギー発電の利用量を現在の2倍で、原発2?3基分にあたる160億キロ・ワット時に引き上げることを求めている。国の「長期エネルギー需給見通し」でも、05年度に発電量全体の1%だった新エネルギーの発電量を、30年度までに最大4%に引き上げることを目指している。だが、日本では、電力会社が新エネルギーの利用を進めた場合の費用を電気料金に転嫁して値上げするためには国の認可が必要で、原価の査定などが求められるため難しかった。
ドイツでは、電力会社が新エネルギー発電による追加コストを電気料金に上乗せしている。
冒頭に環境に関するニュースを2題ご紹介しました。
まず、世界各国では、どのような発電割合になっているのかを見てみましょう。
(出典:主要国の電源別発電電力量の構成比、2006年、電気事業連合会より)
日本は、比較的バランスの取れた内訳となっていますが、他国と比べ石油の比率が高く、天然ガスが低くなっています。
ところが、地震被害による原子力発電設備の運転停止により、火力発電に転化され、その分CO2の排出量が増えてしまったという報道です。
中国、アメリカ、ドイツ、中国は、石炭が国内で産出されるため、石炭の比率が高くなっています。
カナダでは豊富な水資源を利用した水力、イギリスは北海油田の石油とガス、フランスでは原子力の比率が高いのが特徴的です。
さて、再生可能エネルギーが世界で最も普及しているドイツでは、全エネルギーのうち、再生可能エネルギーの割合は14%(2007年・発電量ベース)となっています。
太陽光発電は日本で開発されました。
一時は世界最大の太陽光発電量を誇っていた日本ですが、2005年にはあっさりとドイツに抜かれてしままっています。
なぜ、ドイツが急速に新エネルギーの導入量を伸ばしたのかという一番の理由は、「再生可能エネルギー法」(2000年施行)によるものが大きいといえます。
この法律のポイントは、電力事業者に対して、高い単価で新エネルギー由来の電力を買取ることを義務付けたことにあります。
2004年には、さらに法改正により買取り価格はさらに引き上げられました。
対し、日本ではどうなのか。
日本では、 『新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法』(以下「新エネ法」・平成9年施行)により、太陽光発電、風力発電、太陽熱利用、温度差エネルギー、バイオマス発電、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造、雪氷熱利用、地熱発電、小水力発電を新エネルギーと定められ、 『電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法』 (RPS法・平成14年施行)により電力事業者に新エネルギーによる電気を一定割合利用することが義務づけられました。
【参考】
⇒貞昌院と東京電力の太陽光発電に伴う電力売買の内容
けれども、日本では、
(1)新エネルギー導入の補助金が年々減額され、補助金が廃止となった自治体すらある。
(2)電力事業者による発電電気の買取単価が低い
という、新エネルギー導入への動機が損なわれる状況です。
ようやく、日本でも冒頭2番目のニュースのように、電力事業者による買取金額を引上げ、その分を太陽光や風力発電費用を料金転嫁することが具体的に検討されるようになりました。
太陽光発電設置に関する世論調査をみてみると
エネルギーに関する世論調査 (内閣府大臣官房政府広報室世論調査報告書 平成17年12月調査)では、太陽光発電を費用面でどの程度の条件があれば導入するかという調査において
「耐用年数までに最初にかけたお金の回収はできなくても,環境に優しいエネルギーであれば,使いたい」9.6%
「耐用年数までに,毎年の電気代の削減ですべて回収できる程度のお金(150万円程度)で購入できるようになれば,使いたい」37.8%
「自ら太陽光発電設備を購入することには興味はないが,太陽光や風力などの新エネルギーから発電した電気であれば,多少高くても使いたい」10.5%
「自ら購入することに興味はないし,新エネルギーから発電した電気を使うことにも興味はない」24.1%
「わからない」13.4%調査対象
(1) 母集団 全国20歳以上の者 (2) 標本数 3,000人 (3) 抽出方法 層化2段無作為抽出法
調査時期 平成17年12月15日? 12月25日
調査方法 調査員による個別面接聴取 調査実施委託機関 社団法人 中央調査社
回収結果
(1) 有効回収数(率) 1,712人(57.1%) (2) 調査不能数(率) 1,288人(42.9%)
となっており、過半数以上の方々の太陽光発電に対する潜在的需要があることがわかります。
30代、40代の方にその割合が多いことも頼もしい結果です、
貞昌院では、太陽光発電設備の設置から55ヶ月が経過しました。
発電規模は 5.544Kw
設置費用は380万円(うち190万円は補助金)
でした。
これまでに発電してきた電力量の実績値に買取単価を掛け、設置費用がどれほど回収できているかをグラフにしてみました。
縦軸は、月ごとの太陽光による電力量に単価を掛けた金額です。単純な計算としてKwh 25円で計算しています。
参考として、買取単価を2倍、3倍としたものも併記しています。
日本における買取価格をドイツ並みの電力料金×3倍とした場合、大体50ヵ月(4年2ヶ月)で回収できることがわかります。
なお、補助金が一切出なかった場合でも、100ヶ月(8年4ヶ月)で回収できます。
10年間の間にメンテナンス(インバータ交換など)が発生したとしても、概ね10年で回収できるということであれば、前述のエネルギーに関する世論調査と考え合わせて、普及が急速に進むことは想像に難くありません。
電力料金への転化についても、太陽光発電の普及が進み、仮に全発電量の20%が太陽光発電になったとして、それの買取価格に3倍を要するとしても、電力料金の上昇は、概略な計算ですが 0.8+(0.2*3)=1.4 となり、40%の価格上昇となります。
しかしながら、長期的に見ると、その分の電力事業者の発電設備が不要になるため、電力料金単価の減少にも繋がります。
また、太陽光発電パネルの大量生産により設置に関わる費用負担は少なくなっていくでしょう。
太陽光設置に関する補助金制度を充実することも大切ですが、新エネルギーの発電電力を買取る価格を引き上げることが如何に有効かが判ると思います。
それに、この政策には補助金制度と異なり税金の投入が不要であるという点も重要なポイントとなります。
ですから、電力事業者による買取金額を引上げ、その分を太陽光や風力発電費用を料金転嫁することが検討されるのであれば、それを速やかに、かつ少し思い切った政策を実行して欲しいと思います。
私は太陽光発電を昨年設置しましたが、
費用回収が見込めないことが大変残念に思っていました。
多くの方は、費用回収が出来るかが設置判断基準になることは間違いありません。
太陽光発電の買取費用引き上げの考え方大変効果があり、実現することに大賛成です。
京都議定書のCO2削減、クリーンエネルギーの推進と
化石燃料から以降する手法として、一般家庭で太陽光発電を普及させることがとても大切なことであると思います。
事実太陽光発電を設置した人は省エネに対する考え方が強くなり無駄な電気、エネルギーの削減を実践するようになることも重要なファクターと思います。
是非、買い取り価格の引き上げについての取り組み国への働きかけを民意として取り上げられるよう頑張ってください。
投稿者 遠藤好一 | 2009年2月 8日 17:42
遠藤様
特に一般家庭においては補助金の額が限られているために費用回収がほとんど見込めないという事例は多いようですね。
それでも、2005年度に打ち切られた国の補助金制度が、ようやく復活しそうです。少しは明るいニュースですね。
けれども抜本的な普及促進の原動力となりうるためには、やはり買取価格の引上げが必要だと思っています。
そういった働きかけを少しでも広げていきたいものです。
投稿者 kameno | 2009年2月 8日 18:02