紙の文書を電子文書化することのメリット

会報創刊にあたって SZI会長 松永然道

過る二月(平成5年)に、両大本山及び宗務庁、元海外開教師、また海外開教について今日までご支援や関心を寄せられた多くの先輩諸老師の参加を頂き、曹洞禅インターナショナルが発足の運びとなりました。
大変遅れましたがここに第一号の会報をお送りいたします。
記念すべき創刊号の巻頭に奈良康明先生の論文を幸いにも頂く事が出来ました。今、世界中が大きな変革の中にあります。
この変革期に当たヶて、我々宗門人も等しく己を見つめ直し、国内、海外をとわず布教教化とは何かを再考すべきであります。この時期に曹洞禅インターナショナルが出発出来ますことは、意義深いものと思います。
奈良良先生の巻頭に述べられた意とするところを会の理念として行きたいものと思います。
開教諸師は多様性の世界で教化宗団の一人として、違う世界観を肌で受け止め、共生してきた経験を持っています。国内にあっても、現在のお互いの情報を交換し連携を密にすることが、引き続き懸命の精進をしている現開教諸師、更には国内の諸老師方の浄業に細やかながらも役に立つことになるのではないかと思います。
この会報に、皆様からの種々の情報を提供して項き、共に当面する問題に取り組んでいきたいと思います。宜しくご指導、ご協力をお願いしご挨拶といたします。

(注1)現在、海外開教師は国際布教師と呼称が変わっています。
(注2)松永然道師は、現在、相談役です。


これは、SOTO禅インターナショナル(以下SZI)発足の年に発行されたSZI会報「創刊号」の巻頭の言葉です。
SZIについてはこちらをご参照ください。
(私は今、事務局長をさせていただいております)

十余年のSZIの歴史を経て、今年末には会報第33号を発行するに至りました。
20061210.jpg

会報を改めて振り返ってみると、発足当時の国際布教に対する皆さんの情熱がひしひしと伝わってきます。
初心を忘れずに、その意思を受継いでいきたいものです。

創刊以来33号にもなる会報ですが、創刊号から全て揃えてお持ちの方は少ないのではないでしょうか。
私の手元にも、創刊号はコピーしかありません。

そこで、現在、会報を電子文書化して、会員の皆様にお届けする準備を進めています。

スキャナーで取って、それを簡易OCRにかけ、テキストとしての情報を作成し、透明テキストのレイヤーを重ねて一つのPDFファイルにまとめます。

ファイルにしておくことで、保存に便利になり、必要な時に必要な部分を印刷して使用することができます。
一番のメリットは、透明テキストによって全文検索が可能になり、どこにどの記事があるかが一発でわかるということです。

どのように作成するのかをまとめてみます。


■透明テキスト付きファイルの作成方法

市販のOCRソフトなどを使ってもよいのですが、私の場合は、スキャナ : CsnonDR-2050CについてきたAdobe Acrobat standardを使っています。

蛇足ですけど、このスキャナはオススメです。
Adobe Acrobat standardが付いているだけでもお買い得ですが、スクラップを作成するのにはもってこいです。
http://cweb.canon.jp/documentscanner/stapa/01/index.html
http://cweb.canon.jp/documentscanner/stapa/02/index.html


では、さっそく今日の朝刊を使って試してみましょう。
スキャンされたファイルのサイズですが、

【色数】カラー、グレースケール、白黒2値
【精度】***dpi

の組合せによって、ファイルサイズは格段に違ってきます。
グレースケール400dpiだと、下のように、一ページあたり400K程度で作成できます。
スクラップ程度なら、白黒2値 200dpi程度でも充分です。
それなら1ページあたり100k以下です。
透明テキストも埋め込まれていますので、 Acrobat readerのツールバーで文字選択を選び、文字の部分をマウスでなぞり、右クリックすると、テキストをクリップボードに貼り付ける事ができます。
OCRですから、認識精度は100%ではありませんが、実用上問題ないレベルでしょう。

【グレースケール 400dpi】
朝日新聞朝刊 2006年12月10日 PDF 400k

上記ファイルにハイライトとメモを貼り付けてみました。
朝日新聞朝刊 2006年12月10日 PDF 400k


SZI会報は、CDでの配布を予定しておりますので、グレースケールでPDFを作成していく予定です。

国際布教への理解関心が高まり、そしてSZIの歴史を伝えていくための一助となればと思います。

投稿者: kameno 日時: 2006年12月10日 09:46

コメント: 紙の文書を電子文書化することのメリット

価値ある文章をPDF化。
さすが電脳坊主カメノー(怪人風)!!

全文検索が出来るって、本当にありがたいです。
テクノロジーに感謝です。

むかーし翻訳学生だった頃、恩師の手伝いで、
原書に使われている聖書の引用がどの章からか
調べろと言われてひっくり返りました。
結局聖書全部に目を通さざるを得ず。
しかも英語版…

あのとき検索機能が使えたらあんな苦労は、
としみじみ思います。

はっ、坊さんの前で聖書の話をしてしまったぁ!

投稿者 宝船 | 2006年12月10日 22:30

聖書も仏典も共通点は多いんですよ。
十戒なんかもほとんど共通してますし。
それにしても聖書の英語版をざっと目を通したって凄いですね。
まあ、検索機能がパソコンの尤も得意とするところですな。
インターネットの普及も、検索エンジンがあったからこそだと思いますよ。

投稿者 kameno | 2006年12月10日 22:44

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