美しい都市景観を後世に残すために

新景観施策:屋上・屋外点滅広告を全面禁止へ 京都市

 古都の眺望景観を守るため京都市は24日、看板などの屋上広告物や、屋外の点滅照明広告物を、それぞれ市内全域で全面禁止する新たな景観施策案を発表した。標高を基準にした建築物の高さ制限も導入する。広告物規制は既に設置されているものも対象にする方針で、市都市計画局は「市全域での規制は例がない。世界に誇る歴史都市空間にしたい」としている。市民の意見も聴いて条例改正案や新条例案をまとめ、来年2月の定例市議会に提案。可決されれば07年度の早期に施行する。
 広告物の規制については、屋外広告物条例の改正で対応する。点滅照明広告は屋上でなくても規制する。建物と一体になっており、商品名や企業名、店名がついたり消えたりするものなどが対象。常時照明がついている場合は対象外となる。
 市は、既存のものも含めて6年後をめどに全廃したいとしている。規制対象となる広告物の数は調査中。業者が従わない場合は撤去を促し、営業停止や業者名の公表も検討する。広告主に対しても、3年ごとに維持管理・保守点検と報告を義務付ける。
 一方、高さ制限強化については新条例も制定する。市中心地区(1万5000ヘクタール)では、新規の建築物の高さ規制を地区によってそれぞれ2?16メートル厳しくし、31?8メートルに制限してデザインも規制する。特に、仁和寺など世界遺産や、著名な観光地38カ所の周辺では、日本瓦や土塀など和風デザインを義務化するなど、地域の特性にあった様式にする。
 さらにこの38カ所では、新規の建物は地面からの高さではなく、標高でも規制する。例えば「五山送り火」などの場所と人の目とを結んだ面を高さの上限とし、視界をさえぎる建築物を規制する。眺めの阻害要因にならないよう屋根のこう配や色彩などデザインも規制。市によると標高での規制は全国初という。
 市は案に対する意見を27日から12月28日まで募集する。
 市は、開発の動きが活発化していることを受けて今年4月、町家が軒を連ねる中心部で高さ規制の強化を打ち出し、次の手を検討していた。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20061125k0000m040106000c.html



先日のトピックスでご紹介した「みなとみらい」は、横浜市の工場を中心とした産業景観が、以前の資源を活かしつつも洗練された意匠の元に計画された好例です。

経済効率ばかりを追求すると、画一的でその都市らしさが失われた個性の無い街になってしまいますが、その地域独自の個性や安らぎ、豊かさ、潤いを保ち、、そして歴史的・文化的価値を損ねることのないような都市景観について、行政を中心真剣に取り組む都市が多くなりました。


今回、新景観施策を打ち出した、京都市は、平安建都以来、千二百年を超える歴史を刻む日本を代表する都市といっても過言ではありません。

豊かな自然と数多くの歴史的資産や風情ある町並みとが調和した景観は、京都らしい景観として永い歳月をかけて培われてきたものです。

また、いつの季節に訪れても、日本の持つ四季とともに変化する折々の彩りが、京都の景観に奥深さを与えます。
例えば、これからの季節は紅葉が楽しめますが、数百年の先見性をもった先人たちによって計画的に植えられたモミジによって、現代の私たちがこのような素晴らしい景観を享受できることを忘れてはなりません。

高度経済成長期以降、京都の町並みは高層ビルやマンションが林立するようになり、看板などの屋上広告物や、屋外の点滅照明広告物も目立つようになりました。

そこで、都市景観を保護するために、総合的にさまざまな規制を設けるというのが、この新景観施策の主旨です。
大いに賛成です。

新景観施策の詳細はこちらをご参照ください。
京都市都市計画局都市景観部都市景観課
http://www.city.kyoto.jp/tokei/keikan/


ニュース記事の中にある38箇所とは、世界遺産を含む歴史的資産周辺や、市街地が近接し、建築物の高さやデザインについて新たに規制しなければ、近い将来、眺望景観や借景が損なわれる可能性のある箇所です。

具体的には


(1)境内の眺め
 賀茂別雷神社(上賀茂神社)・賀茂御祖神社(下鴨神社)・教王護国寺(東寺)・清水寺・醍醐寺・仁和寺・高山寺・西芳寺・天龍寺・鹿苑寺(金閣寺)・慈照寺(銀閣寺)・龍安寺・本願寺・二条城・京都御苑・修学院離宮・桂離宮

(2)通りの眺め
 御池通・四条通・五条通・産寧坂付近の通り

(3)水辺の眺め
 濠川・宇治川派流・疏水

(4)庭園からの眺め
 円通寺・渉成園

(5)山並みへの眺め
 鴨川から東山・賀茂川から北山・桂川から西山

(6)“しるし”への眺め
 賀茂川右岸から「大文字」・高野橋、高野川左岸から「法」・北山通から「妙法」・御薗橋及び賀茂川左岸から「船形」・松尾橋から罧原堤から「鳥居形」・西大路通から「左大文字」・船岡山から「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」

(7)見晴らしの眺め
 賀茂大橋から北方・桂川両岸から嵐山一帯

(8)見おろしの眺め
 大文字山から市街地

という、8つに分類された38箇所です。

画期的なところは、ある地点からの眺望、または見下ろしといった斜めの線で高さ制限をおこなうこと、そして、地面からの高さではなく、標高でも規制するということです。

経済成長が上向きになり、無秩序な開発が進みつつある中で、このような景観施策が実効的に働くことを切に願うところであります。

投稿者: kameno 日時: 2006年11月27日 01:22

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