ハイパーマーケットの明暗

カルフール、国内8店舗をイオンに売却へ 週内にも発表

カルフールは00年12月、千葉県の幕張に1号店を出店。南町田(東京)、狭山(埼玉)、東大阪(大阪)、尼崎(兵庫)など首都圏と近畿で8店舗を展開している。大量仕入れによる安売り販売の手法で外資系大手スーパーとして初めて日本市場に進出したが、業績が低迷し、昨年以降日本からの撤退を検討していた。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/art-20050309220342-JCFCXKWQEF.nwc

昨日のニュースです。
カルフールは1959年にパリで創業した巨大なセルフサービス店であり、ハイパーマーケット(売場面積2,500平方メートル超の食品主体のセルフサービス店舗)の元祖とも言われます。
鳴り物入りで日本に進出しましたが、その幕切れはあっけないものでした。

そういった「暗」がある反面、元気なハイパーマーケットもあります。
その代表格が、コストコホールセールでしょう。

子供が通っている幼稚園のお母さん方には大変な人気で、グループ買いなどをしたりします。
割合近くに店舗があるので、早速行ってみました。

まず、コストコとは??という方は http://www.costco.co.jp/ をご参照ください。
主な特徴は
■コストコホールセールは、会員制の倉庫型店舗。
■入店時に写真つき会員証の提示が必要。
■会員はゴールドスターメンバーとビジネスメンバーの2種類。
■出店時にレシートと購入した商品の照合が行われる。

会員制ですから、会員証をまず作ります。
貞昌院でビジネスメンバーに入ってみました。

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ハイパーマーケットは、車で行くことが前提になりますから、駐車場も整備されていて、大型のカートで直接店舗から駐車場まで運ぶことが出来ます。
最初に駐車場から店舗に入ると、まず店舗内部がやたら大きいことに驚かされます。
まあ、倉庫型の店舗ですから当然といえば当然ですね。

売っている商品の単位が一桁違いますので、買い込むには相当の覚悟が必要です。
日本製のポテトチップとかも、こんな大きな袋詰めは初めて見る・・・という驚きで、最初は十分楽しめると思います。

アメリカなどは、一週間分の食料品を買い溜めして冷蔵庫に突っ込んでおくといいますが、いかにも「アメリカの大量消費文化」を象徴するような店舗です。
日本の普通の家庭では、とても消費できる単位ではありません。
パンとかも36個入りとか、肉がキロ単位とか・・・・・・

逆に、レストランとかを経営している人にとってはとてもありがたい店ではないでしょうか。
それと、冒頭に述べたグループ買いですね。

かなり買いこんでしまったのですが、特にジュースとパン類はおすすめかもしれません。
見かけの大雑把さとは裏腹に、とても美味しいです。

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ジュースは1?×12個が一単位で売っています。南アフリカ産。単価はかなり安い。

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アップルパイ。見かけはあまりよくないのですが、焼きリンゴがたくさん入っていて美味しい。
(これを食べながら書込みをしています)

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コストコは、単なるハイパーマーケットではなく、Membership WholeSale Club=会員制の卸問屋であり、本来は飲食業や小売店、企業をターゲットにしていました。
それが一般消費者にターゲットを広げて現在の形になりました。
ゴールドスターメンバーよりビジネスメンバーの方が会費が安いという所に、その本来の特徴を垣間見ることが出来ます。

安さの秘密は、物流コストと人件費の大幅な削減が大きな要因になっているようです。
つまり、倉庫=売場であるため、出荷された商品が、工場出荷時状態でパレットごと積み上げられること、商品売場に人員をほとんど配置しないという大胆なコストカットを行っているわけです。
さらに、商品点数を絞り、ロットを大きくすることによって客一人当たりの購入単価を増やし、大量販売に徹することが出来ます。

また、年会費は高めに設定されているため、消費者は何度も通って元をとろうとする心理が働くでしょう。
(これを会員制カードによる「メンバーシップ・ロックイン」効果といいます => ロックインについてはQWERTYのトピックスでも出てきましたね )
コストコとしても、年会費がかなりの収入源になるため、低い粗利益率を実現でき、限界に近い低価格が実現されています。

今までの日本型の小売店の常識を覆す特徴を兼ね備えているといえるでしょう。
このような倉庫型のハイパーマーケットが日本に根づくのか、それともカルフールのように一時的なブームに終わるのか。
推移を見守って行きたいと思います。

投稿者: kameno 日時: 2005年3月11日 22:06

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