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10月も半ばを迎えました。
この時期になると、境内の池のほとりで、カマキリが観察できます。
はじめは、池の周りをただうろうろしているだけかと思いきや、池の水に吸い寄せられるように水際に進んでいきます。
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ついには飛び込んでしまいます。
通常であれば、カマキリは水に近づくことはありません。
水に浮かんだカマキリは泳ぐこともままならず、ただ足をバタバタさせています。
やがて、カマキリは鯉に食べられてしまいました。
なぜカマキリは水に飛び込んだのか。
その理由は、体内に寄生しているハリガネムシに行動を操られ、水に飛び込むように操作されているからだといわれています。
→ハリガネムシについては、以前ブログで書きましたので、興味ある方はこちらをご覧ください。
→ ハリガネムシの奇妙な一生
自然界では、さまざまなつながりをもって生物たちが生活しています。
川や池の魚は、水に落ちた昆虫などを餌として捕食して生きていますが、実は、その中のかなりの割合でハリガネムシに寄生された昆虫が餌として寄与しているという研究があります。
上図は「寄生者(ハリガネムシ類)が駆動する渓畔生態系のエネルギー流の解明」SatoT, Watanabe K, Kanaiwa M, Niizuma Y, Harada Y. and Lafferty K. D. 2011 Nematomorph parasites drive energy flow through a riparian ecosystem.Ecology 92: 201-207 から引用したものですが、この研究によると、観察した渓流の魚が捕食する餌のうち、エネルギー量に換算して95%がカマドウマなどの昆虫であり、そのうち、ハリガネムシ類が寄生した宿主は60%程度になるというものです。
このように、自然界においてハリガネムシが果たす役割は、きわめて大きいと考えられます。
カマキリやカマドウマにとっては災難なのでしょうけれども、これも自然界全体のバランスを保つうえでの不可欠な関係性なのです。
実に不思議なものですね。
面白いお話でした。シャアさせて頂いてよろしいでしょうか?
投稿者 コバヤシカンイ | 2020年10月16日 08:55
コメントありがとうございます。
はい、よろしくお願いいたします。
投稿者 kameno | 2020年10月16日 09:11