« 花散らしの雨 | 最新記事 | 大本山總持寺授戒会第1日 »
今日は、花まつり・お釈迦さまの誕生日です。
お釈迦さまの誕生を祝い、甘露の雨が降り注ぎました。
そのお祝いの雨なのでしょうか、雨模様の一日となりました。
開き始めたイカリソウがキラキラ輝いて、まるで宝石のようです。
「天上天下唯我独尊」=生きとし生けるもの、すべてが尊い存在でかけがえのない命を生きている、そういうことを実感できる時節でもあります。
「朝」谷川俊太郎
また朝が来て僕は生きていた
夜の間の夢をすっかり忘れてぼくは見た
柿の木の裸の枝が風にゆれ
首輪のない犬が陽だまりに寝そべってるのを百年前ぼくはここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前の所のようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだいつだったか子宮の中で
ぼくは小さな小さな卵だった
それから小さな小さな魚になって
それから小さな小さな鳥になってそれからやっとぼくは人間になった
十ヶ月を何千億年もかかって生きて
そんなこともぼくら復習しなきゃ
今まで予習ばっかりしすぎたから今朝一滴の水のすきとおった冷たさが
ぼくに人間とは何かを教える
魚たちと鳥たちとそして
僕を殺すかもしれないけものとすら
その水をわかちあいたい
地面には花びらの絨毯。
命は繋がっています。