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今回の人権研修は福島方面、特に東京電力原子力発電所事故の影響が大きく残された地域を巡りました。
先のブログ記事(1)(2)のような現状を目の当たりにして、思うことは多いのですが、その前に、注意しなければならないこともあります。
福島県全域が、或いは海外からの視点では日本全体が放射能に汚染されてしまっているという先入観は、決して持ってはいけないということです。
今回は「避難指示解除準備区域」(上図の緑の区域)、「居住制限区域」(上図の黄色の区域)を訪れました。
それ以外の区域では、住民の方はごく通常の生活を送られています。
また、「避難指示解除準備区域」では、除染作業が進められており、居住できる環境作りに多くの方々が日々作業を続けています。
1日目に拝登させていただいた富岡町のR寺様では、昨年は除染作業が進んでおらず防護服を着用し、日中の僅かの時間しか滞在できませんでした。
その時の境内の放射線量は3.48μSv/hという高線量で、雨樋では計測不能になる場所もありました。
本年1月より国は富岡町での除染作業を進め、境内での空間線量は0.5μSv/h程度に下がっています。
今回は午後3時までという制限は掛けられていますが、防護服の着用は必要無くなりました。
もちろん、まだ斑状に線量の高い場所もあるでしょう。
しかし、全体的に線量が下がっていることも事実です。
R寺では、檀信徒の皆さまがまた集える場所とすべく片付けや修復作業を継続的に進めています。
また、数年後を目処に伽藍の復興計画も進捗しています。
寺院の事例はもとより、今回の研修で各所を回った中で、様々な困難に立ち向かっている方々の姿を目の当たりにしました。
道のりは遠いこともあるかもしれませんが、そのような方々を心より応援していきたいと考えています。
放射能をやみくもに怖がるのではなく、正しい知見の元、正しく怖さに向かい合う姿勢が大切なことであると考えています。