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東チベット高原に源流を発し、南アジアを貫くメコン川は、ミャンマー・ラオス国境、ルアンバパーン・ビエンチャン・タイ・ラオス国境を流れて、カンボジア・ベトナムへと流れる大河です。
早朝には川霧に包まれていたメコン川でしたが、日が昇るにつれて青空が広がりました。
ゆったりと時間をとってクルーズをしました。
強烈な日差しが照りつけます。
けれども川面を抜ける風は涼しく、とても心地よい船旅でした。
船着場は、竹で組まれた桟橋か、板が渡してあるだけの簡易なものです。
メコン川沿いの寺院へ向う僧侶たちも、船を使っています。
ルアンバパーンから上流に1時間半ほど入ったところにあるパークウー洞窟に立ち寄りました。
洞窟は崖をくり抜いたような洞窟内には4000を超える仏像たちが祀られています。
新旧様々な仏像が混在しています。
ラオスの方々がお参りのたびに運び込んで祀っていくようで、その数はどんどん増えています。
雄大なメコン川は、雨季と乾季で流量が大きく異なります。
その水面の上下により、流域には肥沃な土地が形成されています。
しかし、近年メコン川はダム建設と治水工事の2つの問題を抱えています。
一国だけの問題ではなく、複数の国を流れる川ですから、上流の影響は下流の国に深刻な影響をもたらします。
例えば、中国では漫湾ダムをはじめとした12のダムが計画がメコン川で計画されています。
水量の低下と治水工事の進展により、水位は低下し、漁獲量は4分の1に減少しているそうです。
カンボジアのデルタ地域でも、農業生産は絶妙な水量のバランスの上に成り立っており、それが崩れることで、15世紀にクメール王朝を滅亡させた大規模な飢饉と壊滅的な洪水というシナリオの再現が危惧されています。
メコン川流域問題は東南アジア全体の深刻な問題であるといえます。
豊かな光景が何時までも続くことを願います。