REUNION『遺体 明日への十日間』

あと2ヶ月弱で東日本大震災発生から2年目を迎えます。
各地で3回忌の慰霊法要が営まれる時期に、震災直後の遺体安置所を主題にした映画が公開されます。

ノンフィクション作家・石井光太氏のルポルタージュ「遺体−震災、津波の果てに−」を原作に、遺体安置所での知られざる活動を描いた映画、『遺体 明日への十日間』です。
英語版のタイトルは「REUNION」です。このタイトルにしたことについて、君塚監督は「震災によって離れ離れになった家族がまた再開できるよう実際に多くの人たちががんばりました。そういった日本人独特の死生観を描きたく、再開・再結合などの意味をもつREUNIONとしました」と話されています。

昨年秋、カナダで開催された第36回モントリオール世界映画祭においてワールドプレミア上映された際には、計2回の上映に数百人の観客が押し寄せ、「ご遺体に対して、生前のお名前で呼びかけるシーンにとても感動した」「作品を作る勇気に感動した」など大反響となりました。

 

チェック:2011年の東日本大震災で被災した岩手県釜石市の遺体安置所を題材としたルポルタージュ「遺体 -震災、津波の果てに-」を基に、メディアが伝え切れない被災地の真実を描き出したヒューマン・ドラマ。葬儀関係の仕事をしていた主人公を中心に、遺体を家族のもとに帰そうと奮闘する遺体安置所の人々の姿を映し出す。メガホンを取るのは、『踊る大捜査線』シリーズの脚本や『誰も守ってくれない』などで知られる君塚良一。西田敏行が主演を務め、佐藤浩市や佐野史郎など日本を代表する名優たちが共演。東日本大震災の壮絶な様子と共に、遺体安置所の人々を通して日本人の死生観をも映し出す。

あらすじ:東日本大震災の発生直後。定年まで葬儀関係の仕事に就いていた相葉常夫(西田敏行)は、仕事柄遺体に接する機会が多かったことから、遺体安置所でボランティアとして働くことになる。一人一人の遺体に優しく話し掛ける相葉の姿を見て、膨大な遺体に当初は戸惑っていた市職員たちも、一人でも多く遺族のもとに帰してあげたいと奮闘し続ける。

予告編

 

 

映画は2月23日より公開されます。
是非足を運んで観てみたいと思っています。


映画『遺体 明日への十日間』公式サイト

投稿者: kameno 日時: 2013年1月15日 23:04

コメント: REUNION『遺体 明日への十日間』

昨年原作を読んで、激しく心を動かされました。
映画になったんですね、知りませんでした。
主演の西田さん、彼も東北の人間ですから、きっと深い思いをこめて演じられたことでしょう。
また、制作された方々も、常にない勇気を持ってこの映画制作にあたられた事だと思います。

この映画が上映されること、被災された方々には複雑な想いがあるかもしれません。
ですがこのところ、震災が過去のことのように話されてしまう風潮が感じられ、さびしく、また残念に思っていたところであります。
大変な事があったんだよ、だけではない、日本人の根っこのところをグイグイ揺さぶるような映画になっているといいですね。

投稿者 rinshou | 2013年1月16日 16:35

rinshouさま、コメント有難うございます。
ご指摘の通り、映像化するということは、かなりの勇断だったと思います。
その上で、「遺体には生きている人と同じように接しなさい」と語る西田敏行演じる相葉、そのことばにより遺体を”死体”としかみられなかった周囲の人たちが率先して動くようになり、さらに新しく設けられた祭壇と僧侶の読経により空気が一変する安置所の様子がどのように描かれているのか・・・そのあたりもよく味わってみたいところです。
いずれにいたしましても「過去のこと」にならないよう、記録していくこと、それを伝えていくことも大切なことですね。

投稿者 kameno | 2013年1月16日 22:46

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