« 2011ゆめ観音アジアフェスティバル報告(2) | 最新記事 | 中秋の名月 »
2011年、ゆめ観音の開催日は東日本大震災発生から半年、そして9・11アメリカ同時多発テロ発生から10年目の日の前日開催となりました。
3月11日に発生した東日本大震災では、警察庁の発表によると、現在までに12都道県で1万5782人もの方々が命を落とされました。
行方不明者の方々は依然6県、4086人もいらっしゃいます。
ゆめ観音開会にあたり、白衣観音前のステージで平和宣言を発表いたしました。
鎌倉市長様、神奈川県原爆被災者の会会長様ご同席のもと、この大船観音に集まった皆様の前でSOTO禅インターナショナル会長・細川正善師により発信されました。
平和宣言 「核兵器もない / 戦争もない / 平和な世界を」 大船の丘から街を見守る、この白衣観音像は、1929年、世界の恒久平和を祈願して建設がはじまりました。 敗戦を経て完成した大船観音建立の意義は、戦前戦中に亘って時の政治権力に荷担迎合し、アジア地域の人びとの人権を侵害して民族の誇りと尊厳を損なった歴史的事実を反省することと、アジア各国へ与えた数々の過ちを繰り返えさないよう、今度こそ観音菩薩の慈悲によって平和を祈願し、世界から戦争を無くすことを誓うことであると考えます。 平和は政治的、経済的、軍事上の契約だけによって保障されるものではありません。最終的には人々の一致した誠実なゆるぎない取り決めによって築かれるものです。年齢、性別、社会的地位、宗教的帰属、または文化的背景の違いを超えて、私達一人一人が平和な世界を創ることを求めれられています。 今年3月11日に発生した未曾有の東日本大震災では、多くの人々の命と平穏な日常の全てが奪われ、その惨状は筆舌に尽くし難く心痛む出来事でした。 この大震災では地震による津波の被害に加え、東京電力福島第一原子力発電の事故が発生しました。 この事故で原子力発電の安全神話は根底から崩れてしまいました。 今年の広島・原爆投下の日に、被爆された方のお一人が、被爆者として未だ放射線の脅威から逃れることが出来ない毎日、この66年間二度と同じ過ちを繰り返さないように核兵器廃絶を訴えてきました。この3月に起きた大震災で福島原発事故による放射線被曝の脅威も同じであり、核に対する認識を改めたとのコメントは心に深く残りました。 お釈迦さまは「怨みを持って怨みに報ぜば、怨みやまず。徳を持って怨みに報ぜば、怨みすなわち尽く」と説かれました。 戦後66年、大船観音建立半世紀から新たな第一歩、第13回を迎える「ゆめ観音・・アジアフェスティバル」のこの大船の地からアジアに向けて、そして、全世界に向けて、人権の尊重と平和な暮らしが共有され安心して暮らせるよう、ここに平和のメッセージを発信いたします。 平成23年9月10日 ゆめ観音実行委員会 |
みなさんこんにちは。 今年は、広島、長崎に原子爆弾が投下されてから66年目を迎えました。 |
鎌倉市は 日本中のどの都市よりも早く平和都市宣言を出した自治体です。
福島件で発生した原子力発電所の事故を受けて、エネルギー政策がどうあるべきかを含めて、力強いメッセージを戴きました。
さらに、神奈川県原爆被災者の会会長様よりメッセージを戴きました。
大船観音寺には、日本で唯一、被爆者により「平和の火」が守り灯し続けられています。
自らの被曝体験、そして平和の火が大船観音に灯されるまでの経緯、そして、原子力発電所の事故に対する思いをお話いただきました。
平和宣言、来賓挨拶の後、ゆめ観音の舞台がスタート。
13の団体によるステージが行われ、舞台の最後には超宗派の僧侶により、世界中の災害、特に東日本大震災で犠牲となられた方々の慰霊と復興を願い、平和を祈願する万灯供養法要が営まれました。
■万灯供養法要差定(式次第2011年版)
---------------------------------------------------------------
差定
1.大梵鐘打出九声
1.殿鐘三会
1・散華荘厳
舞台の周囲には平和の火が広げられ、宗派を超えた僧侶たちにより散華が撒かれ、場が清められます。
1.七下鐘導師(大導師・焼却師)上殿
大導師 ゆめ観音実行委員長・大船観音寺住職代行 大本山總持寺副監院 石田征史老師
焼却師 SOTO禅インターナショナル会長 細川正善
1.読経(般若心経)
1.読経(仏陀神呪)
1.配塔婆(法華頓写)
来場いただいた皆様より祈願文が書かれた経木塔婆が、両班の僧侶に配られ、経文が書き加えられます。
1.収塔婆
経文が書き加えられた経木塔婆が集められ、大導師に届けられます。
1.舎利礼文三遍(読経中三拝)
1.拈香法語
1.献茶湯・塔婆焼却
経木塔婆は焼却師により焼却塔に入れられ、松明で焼却供養が同時進行で行われます。
1.世尊偈行道三匝
三界萬霊等の周りを読経しながら行道します。
法要で灯された蝋燭の残りは、会場の皆様にお持ち帰りいただきました。
--------------------------------------------------------------------------------
ゆめ観音も終わりに近づく頃、参道石階段、平和の火の塔の周りもキャンドルの輝きに包まれました。
火は、
時には恨みを込められたものとなり、
人の命を奪うものとなり、
平和の象徴となり、
生きる力を与えるものとなります。
灯明(とうみょう)の炎には、闇を除き、闇を明るく照らす除暗遍明という力があり、仏様の智慧として私たち全ての迷いを除き、悟りに導くことにも喩えられます。
私たちは灯明より迷いなき真実の智慧を得ることの大切さを教えられます。
日も暮れ始めた会場には、中秋の名月間近の丸い月が昇り始め、キャンドルとともに会場を優しく照らしていました。