尖閣諸島沖で逮捕の中国人船長を釈放へ

沖縄県の尖閣諸島沖で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で、那覇地検は24日、公務執行妨害容疑で逮捕された中国人船長を処分保留で釈放すると突然発表しました。
発表記者会見の席で、那覇地検の鈴木亨次席検事は「わが国国民への影響や今後の日中関係を考慮すると、これ以上身柄を拘束して捜査を続けるのは相当でない」と発言し、判断の裏側に中国の強硬な反発が影響したことを示唆しています。
そもそもこの段階で検察当局が外交問題について言及することではありません。


官房長官「検察の総合的判断」中国人船長釈放へ 「それはそれで了とする」

仙谷由人官房長官は24日午後の記者会見で、沖縄県の尖閣諸島付近での日中の船舶衝突事件で那覇地検が中国漁船の船長を釈放すると発表したことについて「法務省から刑事事件としてそういう判断に到達したと報告を受けたので、それはそれで了としている」と述べた。釈放は「検察の総合的な判断と理解している」と述べ、地検独自の判断だとの認識を強調。「粛々と国内法に基づいて手続きを進めた結果こうなった」と語った。
仙谷長官は拘置の満期前に船長を釈放したことについては捜査上の判断であるとの考えを示した。また、地検の釈放決定後に外交ルートを通じて中国側に釈放を通告したことも明らかにした。国連総会出席のためニューヨークを訪れている菅直人首相にも船長の釈放は伝わっているという。
仙谷長官は「日中関係に悪化の兆候が見えていたのは事実だ。あらためて戦略的互恵関係を充実させる努力をしないといけない」とも語った。
(日本経済新聞 2010/9/24)


 

与野党からは多くから批判の声が出ていますが、当然のことでしょう。
中国の「したり顔」が眼に浮かびます。
今後の日中関係を長期的に見ていくと今回の判断により失ったものは多そうです。
最悪、近い将来に尖閣諸島を不法占拠されても指をくわえて見ているだけ、手も足も出ないという状況も現実化しているような感じがします。

 

釈放を発表してしまったことは早計だと思いますし、実に残念ですが。既に釈放手続きは終わり中国からは迎えのチャーター機が出発しているとのことですから、もはやどうこう言っても手遅れでしょう。

せめて、今後は次に列記することを早急に実施して欲しいものです。

 

■尖閣諸島の領有権が日本にあるということを中国及び国際世論に明確にする。
(1)中国、台湾からの漁船、測量船がEEZ線に入った場合は徹底的に排除する。
(2)海底ガス油田、若しくは調査油田ををEEZ線に近い場所に複数建設する。
(3)尖閣諸島に防衛最前線基地を作り、恒常的に防衛演習を行なう。
 

■脱中国経済にむけて
(1)資源を中国以外の国から調達できるように他国との交渉を進める。
(2)都市鉱山からの再資源化の仕組みをさらに強化する。
(3)レアメタルの代用品を作る技術の開発、実用化のための研究に重点を置く。

 

特に脱レアメタルの技術確立は、中国からの資源に依存しきっている日本のために重要な事項でありましょう。
この分野の研究は、実用まであと一歩のところまで来ており、例えば日立製作所は酸化鉄を使った脱レアメタルモーターを2年後に製品化できる段階まできています。
また、帝人と東北大学は鉄と窒素による新材料を開発しています。
石油資源にしても、他のどのような資源にしても、埋蔵量に制約されない原料の確保、リサイクルシステム、代用品技術の確立が求められます。

 


日本に謝罪と賠償要求=船長帰国、「拘束で主権侵害」-中国

中国外務省は25日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖での漁船衝突事件で処分保留のまま釈放された中国漁船の※(※=簷の竹かんむりを取る)其雄船長(41)が帰国した後、「日本側は船長らを違法に拘束し、中国の領土と主権、国民の人権を侵犯した」と強く抗議する声明を発表し、日本側に謝罪と賠償を求める方針を明らかにした。
声明は「釣魚島と付属の島が中国固有の領土で、中国は争う余地のない主権を有している」と改めて強調。「日本側の取った司法措置はすべて違法で無効で、日本側はこの事件について中国側に謝罪と賠償をしなければならない」と指摘した。
その上で「中日両国が近隣として、戦略的互恵関係を発展させる方向を堅持することは両国民の利益に合致する。双方が対話と協調を通じて両国間の問題を解決し、両国関係の大局を維持するという中国側の立場に変更はない」と強調した。
(時事通信 2010/9/25)


 

思ったとおり中国側は「日本側の取った司法措置はすべて違法で無効で、日本側はこの事件について中国側に謝罪と賠償をしなければならない」として、謝罪と賠償を求めてきました。
謝罪と賠償をしなければ経済制裁は解かない、フジタの社員も解放しない...要求はだんだんとエスカレートしていくことでしょう。
悪質なユスリ、タカリと同じ構図です。


少なくとも不当な圧力を掛けることにより、必ずしも中国の思惑どおりには行かないとを、日本の防衛力と民間の技術力を持って示していただきたいものです。

投稿者: kameno 日時: 2010年9月24日 22:27

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