太陽光発電の新買取制度

今月1日から「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」(平成21年法律第72号)施行令により、新しい太陽光発電の新たな買取制度」がスタートしました。


 ⇒経済産業省の関連サイト


具体的には、住宅用として設置された太陽光発電で発電された電力のうち、余剰電力を向こう10年間にわたり現在の2倍の価格で電力会社が買い取る制度です。通常は1kWhあたり約24円程度ですから、この倍の約48円で買い取ってくれることとなります。
ただし、倍額買取は住宅の場合で、非住宅の場合は24円です。
非住宅設置の太陽光発電電力に関して買い取り価格が据え置きとなっているのは残念ですが、その分補助金が整備されているので良しとしましょう。

この買取額上乗せ分は全体で負担することとなり、各家庭平均数十円?100円程度の負担増となりそうです。


寺院に設置する場合は、非営利法人としての補助金を受けて事業用として設置するか、設置補助額は少額であっても庫裏に住宅用として設置し、倍額買取対象とするかの選択を行なうことも可能だと思います。

とにかく、今月始まった制度は、このブログでも早期制度化を求めてきたこともあり、制度がスタートしたことは歓迎すべきことだと考えています。


そのメリットについては 太陽光発電の国ニッポンの復権を で纏めています。


 

政府では、さらに太陽光発電電力の全量買取りを検討しているようです。
実は、この全額買取りには多少の問題点も含まれています。


太陽光発電など全量買い取り、来年度から

菅国家戦略相は31日、民主党都連の会合で講演し、太陽光や風力など「再生可能エネルギー」による電力を電力会社に全量買い取らせる制度を2010年度から導入する考えを明らかにした。
菅戦略相は「全量固定価格買い取り制度を決めればいい。電力会社も、そろそろOKする」と語った。
太陽光電力の買い取りはこれまで電力各社が任意に行っていたが、麻生政権下の法改正で11月から義務化される。11月からは、家庭や学校などが太陽光で発電して自家消費した分を除く「余剰電力」を電力会社が決められた価格で買い取る。
一方、民主党は衆院選の政権公約(マニフェスト)で、自家消費の分も含めた「全量発電」を買い取る制度の導入を明記。風力など他のエネルギーによる電力も幅広く買い取ることも検討していた。
麻生政権では、全量買い取りなどの制度見直しを2年後に行うとしていたが、菅戦略相は制度改正を前倒しで行う考えを示したものだ。
菅氏は、温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減する中期目標達成を目指す政府の検討チーム責任者を務める。
(2009年10月31日 読売新聞)



余剰電力買取と、全量買取の概念を図で見てみましょう。

図1:一日の発電量、電力消費のイメージ
20070530-02.jpg

余剰電力買取は 水色の部分が対象、  全量買取は 水色+ 黄色の部分が対象となります。

 
これだけでも大分違いそうだということが判ります。
余剰電力買取と、全量買取ではどれだけ違ってくるのかを貞昌院太陽光発電設備での発電実績で計算してみましょう。
(実際の発電・消費実績に基づくシミュレーションです。貞昌院発電設備は非住宅用です)


図2:貞昌院太陽光発電設備発電実績
(設置した2003年11月から2009年10月末まで)
20091103-01.jpg

このグラフの 
余剰電力買取りの場合は青い棒線の部分
全額買取の場合は緑の棒線の部分
が対象となります。


2003年11月から2009年10月末までの期間において 青棒線、緑棒線をそれぞれ積算してみると


青棒線(余剰電力買取り)= 17,869 kwh
緑棒線(全量買取り)  = 34,393 kwh
<6年間実績>

貞昌院でのシミュレーションではおよそ倍となりました。


従って、仮に全量倍額買取が実施された場合、従前よりも4倍の買取となるわけです。

余剰電力買取り 24円/kwh ⇒ 428,856 円
全量買取り 24円/kwh ⇒ 825,432円
余剰電力買取り 48円/kwh ⇒ 857,712 円
全量買取り 48円/kwh ⇒ 1,650,864円 !!!!!!!! !(6・7年で償却できるレベル)
<6年間実績>

凄いですね。
これは普及促進の大きな原動力となりそうです。

ただし、ここで注意するべきは図1の黄色の部分の発電電力は、余剰電力買取りの場合は自家消費される電力として使われますので、その分電力会社からの電力量が軽減されているということです。
全量買取りの場合は、自家消費分としての発電電力は無くなります。

全量買取りは、図1の黄色い部分を自家消費に使わずに、電力会社にそのまま戻し、買い取ってもらうという制度なのです。(図3参照)


図3:全量買取りの概念図
20091103-03.jpg


でも、やはり自分で発電した電気は自分のところで使いたい。


さらに、電力会社との契約(連携系統契約)を独立系統契約にし直さなければなりませんし、電力線配線も独立系統とする必要があります。

そこで、政府の担当者におねがいします。
太陽光発電など新エネルギーによる発電設備設置者に対し、つぎのような柔軟な制度を設定していただけないでしょうか。
これで太陽光発電以外の連携系統しにくい新エネルギー発電設備にも適用できますし、管氏の提案する買取り制度と総額は殆ど変わらない仕組みとなります。
新エネルギーへの転換が急速に進んでいくことでしょう。

新エネルギー発電設備設置者には次の2つからどちらかを自由選択することができる

(1)発電設備を連携系統とし、余剰電力を4倍の単価(100円/kwh程度)で買い取る
(2)発電設備を独立系統とし、発電電力全量を2倍の単価(50円/kwh)で買い取る

そして、上記の買取り制度は住宅だけでなく非住宅にも適用する


もちろん、太陽光発電設備を設置していない(あるいは設置できない)世帯の負担はその分増加するわけですので、その理解をどのように得るかが課題ですね。


追記

月ごとの発電量もグラフにしてみました。
経年変化もみられませんし、特にメンテナンスも必要とせずほったらかしでも順調に発電を続けてくれています。


20091103-02.jpg

投稿者: kameno 日時: November 3, 2009 12:25 AM

コメント: 太陽光発電の新買取制度

太陽光買い取りによって、原子力発電所増設抑制に
つかながるといいな、と思います。

民主党になってから、いろいろなことが変わろうと
していて、個人的には非常に応援していますが、
マスコミは「たたき」ばかりでいやーーーーん。
太陽発電買い取り案も同様に、マイナス面が前面に
取り沙汰されていて、「なしてや?」と眉間にシワ
が寄ってしまいます。

太陽がんばれ! 貞昌院負けるな!!

でございまする?。

投稿者 宝船 | November 5, 2009 10:02 PM

宝船さん
まあ、マスコミは視聴率がとれること、スポンサー様のご機嫌をとるとが第一の目的のようですからね。
ここ数ヶ月やたらに原子力燃料再処理のCMや新聞広告が氾濫していたのは今日、全国初のプルサーマル発電が開始されたことへの布石でしょう。
原子力発電の賛否は様々として、日本の電力供給のかなりの割合を原子力に頼っている現状、かといって炭酸ガス排出量制限、脱ダムの流れから火力、水力を増やすわけにもいかない。
となれば自ずと方向性は決ります。
闇雲に反対意見を述べるのは簡単です。
大切なのは問題をどのように解決していくかということへの「具体的論議」と「実践」ですね、

投稿者 kameno | November 6, 2009 8:02 AM

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