« 即心会研修-タンマガーイ寺院 | 最新記事 | 近づく春の訪れ »
即心会研修として、東京カテドラル聖マリア大聖堂へ参拝させていただきました。
教会内部を東京大司教区事務局チェレスティーノ・カヴァニャ宣教師にご丁寧なご案内をいただきました。
この教会はカトリック関口教会教会堂で、カトリック東京大司教区のカテドラルでもあります。
カテドラルとはとは「カテドラ」のある教会のことです。
曹洞宗には管区、宗務所、教区という単位がありますが、カトリック教会にも同様に日本全国を16区分した「教区」という教会の行政、地域的区分があります。
教区長は、司教または大司教と呼ばれます。
教区長の着座椅子(司教座)が曲ろくならぬ「カテドラ」でありますので、司教座を持つ教会が「カテドラル」と呼ばれます。
なお、東京教区は東京都と千葉県がその範囲とるそうです。
1899年に建った当時の関口教会教会堂は木造でゴシック様式の建物でしたが東京大空襲により焼失、その後1964年丹下健三氏の設計により現在の大聖堂が建てられました。
上空から見ると、このように見事に十字架の形をしています。
外観は金属の質感、内面はコンクリートの質感を良く生かした形状が印象的です。
⇒大聖堂の写真はこちら(公式サイト)
構造は東京大学坪井研究室により、音響は石井研究室により為されました。
その内部形状から、特に残響時間の計算結果には特に苦労されたようです。
当初設計では残響時間がなんと20秒。
これでは音楽はもとより、司教のことばも参列者に明瞭に伝わりません。
そこで様々な工夫がなされました。
天井に配された吸音材の役割を果たす天窓、さらに壁面には壷がいくつも埋められています。
壁に見える小さな穴は、壷に続く穴だということです。
また、設置されているスピーカーは小さいものをスポット的に配されています。
設置されているパイプオルガンは2004年に新しく設置されたマショーニ・オルガン Op.1165です。
東京カテドラルのオルガン マショーニ・オルガン Op.1165現代建築の記念碑ともいえるこの大聖堂に2004年に新しいオルガンが設置されたことで、聖堂内部は完全なものになったといえるだろう。オルガンは、日本では珍しく信者席の後方のバルコニーに設置されている。ここでは、オルガンはコンサートホールとは異なる空間のもとに本来の宗教的かつ霊的な音楽が奏でられる。音色はクリアで濁りがなく、聖堂の長い残響の中でも美しく響く。歴史的なオルガン建造の伝統を反映しつつ、典礼だけでなく演奏会でも使用されることを考慮に入れた楽器である。
ポジティフ鍵盤にはイタリア独特のストップが備わっており、これはアンテニャーティ(訳註・北イタリアで1500?1650年頃活躍したオルガン製作家一族)の寸法を参考に設計されたもので、整音には特別な注意を払った。大型の楽器であるにもかかわらず、鍵盤のアクションは軽く、オルガニストは完璧にタッチをコントロールすることができる。全体が美しく共鳴しつつ、あらゆる調性でも弾けるよう、ヴァロッティ・モディフィカト調律法(5つの純正5度、5つの1/6コンマ狭い5度、2つの1/12コンマ狭い5度)を用いている。
(公式サイトより引用)
様々な工夫により残響時間は空席時7秒となりました。
それでも音楽ホールに比べて極端に長い残響時間です。また、西欧の大聖堂よりもさらに長いため、一種独特の響きを感じることができます。
丁度、月一度開催されるオルガン瞑想の演奏練習が行われており、私たちもその感覚を味わうことが出来ました。
建物の地下には信者たちの納骨堂や地下小礼拝堂があり、それぞれを案内いただきました。
なお、この度の訪問に際してはご案内いただきましたチェレスティーノ・カヴァニャ宣教師は駒澤大学でも学び道元禅師にも深い造詣があります。
『大法輪』2月号には氏の寄稿がありますので併せてご紹介いたします。
『大法輪』平成21年2月号 特集?これでわかる 〈道元〉道元禅師とキリスト教……………チェレスティーノ・カヴァニャ