寺院の数はコンビニの数よりもずっと多い

<コンビニ>「飽和状態」について3社トップに戦略など聞く


 30年にわたって成長を続けてきたコンビニエンスストアが、05年11月で既存店売上高のマイナスが16カ月連続を記録し、「コンビニ市場は飽和状態」との指摘も出てきた。コンビニの「老舗」で業界トップのセブン―イレブン・ジャパンと、新戦略でセブンを追うローソン、ファミリーマート。現状や戦略を3社のトップに聞いた。
・コンビニ市場は飽和?
 ローソンの新浪剛史社長は「20代、30代の男性をコア(主要な)ターゲットにしてきたコンビニ市場は、飽和していると思う」と語る。これに対し、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は「飽和しているのはコンビニではなく、消費そのものが変わっている。若い人口が減る中で、単純な成長はありえない」と強調する。
 コンビニは75年に開店したセブン・イレブン豊洲店(東京都江東区)が第1号で、その後参入した店のモデルはセブン・イレブンだった。しかし、上田準二ファミリーマート社長は「以前は、セブンが成功モデルだった」と認めつつも「もはや、セブンのモデルを追いかける時代ではない」と語る。トップ3の05年12月末の店舗数は、セブン1万1069店、ローソン8273店、ファミリー6628店。上田社長は「規模の差は埋まらない。質を高めることに注力する」という。
・新しいモデルは?
 ローソンは、「ナチュラルローソン」や「ストア100」といった従来のコンビニとは異なった店舗を展開し、託児所を併設したコンビニの開店準備も進めている。ファミリーも、オフィスビル内に高級感が高い「ファミマ!」を展開している。この動きを、鈴木会長は「マスコミ受けするだけで邪道だと思う。既存の店をどう強くするかを考えるのが、われわれの仕事だ」と強く批判する。
 上田社長は「100円ショップや、生鮮コンビニの立ち上げも検討したが、既存店強化が先だと判断し、計画をボツにした」と語る。新業態の「ファミマ!」は、オフィスビル内への出店が中心で既存店とは競合しないとの考えだ。
 ローソンは「ローソンが好き、というファンを作ることが重要。これまでと違う考え方で進める」という。「ストア100」などは、現在はすべて直営店舗だが「1、2年後、近隣でローソンを経営している加盟店に引き渡すことで、納得してもらっている」という。
・それぞれの戦略
 鈴木会長は「ひとつのパイを、同じレベル(の企業)で食い合えば、飽和状態になるが、(経営の)レベルが違う。セブンと他店との売り上げ(1日あたり)は十数万違う」と、強い自信をのぞかせる。ローソンは「コンビニはもはや、旧態依然になりつつある。一部から嫌われても、個性のある店をつくる必要がある」と、新しいモデルに積極的だ。
 ファミリーは、全店舗にマルチメディア端末「ファミポート」を置いている。「これから伸びるのは、チケット販売などのサービス。保険とか、介護とかいろんなサービスに対応するためにも(利用者が自分で操作するため、店員の負担を軽減できる)マルチメディア端末が必要だ」と語る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060113-00000166-mai-bus_all


【参考資料】

産業界の動き?多様化するコンビニエンスストア?住友信託銀行 調査月報 2005 年9 月号
http://www.sumitomotrust.co.jp/RES/research/PDF2/653_3.pdf

拡大するFC(フランチャイズチェーン)の動向について?株式会社東京商工リサーチ
http://www.tsr-net.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2005/03/18/dbhl_fc.pdf


【参考:フランチャイズの定義】
 (社)日本フランチャイズチェーン協会の定義では、「フランチャイズとは、事業者(「フランチャイザー」と呼ぶ)が他の事業者(「フランチャイジー」と呼ぶ)との間に契約を結び、自己の商標、サービスマーク、トレード・ネームその他の営業の象徴となる標識、および経営のノウハウを用いて、同一のイメージのもとに商品の販売その他の事業を行う権利を与え、一方、フランチャイジーはその見返りとして一定の対価を支払い、事業に必要な資金を投下してフランチャイザーの指導および援助のもとに事業を行う両者の継続的関係をいう。」とされています。
従ってフランチャイザーが開発したフランチャイズシステムやノウハウと、それを象徴する商標などの事業を運営する方法を提供するのに対して、フランチャイジーは、自己資金を投入して、本部の開発した商売の方法、ノウハウを使用して営業を行い、お互いに利益を得ようとする「事業共同体」と言えます。


日本に初めてのコンビニエンス・ストアが1960年代後半に誕生してから30年余りが経過し、コンビニエンス・ストアは若者から高齢者まで幅広い年齢層の生活に定着しています。
その総店舗数は(社)日本フランチャイズチェーン協会の資料によると、実に4万店舗を数えるに至っています。
街中いたるところにコンビにエンスストアの看板が目に付く訳ですね。

ところが、日本の寺院数は、これをはるかに上回っています。
文化庁・宗教年鑑によると実に7万7千を超える寺院があるのです。
http://teishoin.net/blog/000076.html

■全国の仏教寺院数 約7万7千か寺
■僧侶の数       約30万人
■信者数        約6000万人


けれども、寺院がコンビニエンスストアよりも存在感がないというのはどういう訳でしょうか。
日常の生活の中で、コンビニエンスストアに立ち寄る機会は数多くあります。最近は銀行や郵便、各種決裁の窓口から生鮮食料まで、ありとあらゆることがコンビニエンスストアに集約されていて、生活のなかで必須のものとなっています。

対して、寺院はというと日常の市民生活にどれだけ係わることができているでしょうか。

一昔前は、寺院が集落の核として、役所・学校・集会場の役割も果たしていました。
その役割も時代と共に変遷してきています。
寺院と檀家という、いわゆる檀家制度も急速に変化の兆しが見られます。

寺院をコンビニエンスストアと同列に扱って、信仰の問題も含めて、経済学で言うところの財・サービスとして論じることは不適切かもしれません。
例えば、誰かがある宗派を信仰していたとしても、それにより他の人がその宗派を信仰できなくなるわけではなく、むしろ、信仰する人が増えれば増えるほど、その宗派の価値は高まり、信者は増加していくでしょう。

信仰は習俗と結びついて習慣となります。
それは家庭や地域コミュニティーを通じて、周囲、子孫へと伝播していきます。(⇒情報子としてのミームの伝播)

ここまでが、今までの寺院を取り巻く環境でした。

しかし、仏教信仰が単なる受動的な(能動的でない)習慣になってしまうことにより、習慣は時代の急速な変化から取り残されていくことになります。

・葬儀に僧侶を呼ぶことが当たり前だと思っていたけど、それは本当に必要なことなのだろうか?
・戒名をつけることは当然だと思っていたけど、それって必要ものなの?
などなど。

コンビニエンスストアをはじめ、各企業は、常に世の中の動向をリサーチして、そのニーズの変化に対応していこうとしています。
それに対応できなければ、それは倒産の危機をもたらします。

さて、憲法で保障されている信教の自由は、寺院に与えられているものではなく、国民に与えられているものです。
家の宗教から個の宗教に変化しつつあるとすれば、寺院側が絶えず信者一人一人のニーズを汲み上げ、それに対応できるよう工夫する必要があり、葬儀・戒名の疑問にも真摯に情報を提供していく必要があると思うのです。
「家」のミームの伝播機能が希薄化しているのであれば、それを寺院・僧侶が補っていかなければならないでしょう。

このような努力は、一般企業法人でも、利益を追求しないとされる公益法人でも、関係なく必要なことでもあります。
また、冒頭にある、フランチャイズの定義を、そのまま例えば「曹洞宗」と「寺院」の関係に当てはめるのは、やはり適切ではないと批判されるかもしれませんが、曹洞宗ブランドを掲げる曹洞宗寺院が、どのように今後展開していくのかということを考えるに、とても参考になります。

(公益法人の税制改革についても、このブログで論じて行きたいと思います)

ブログのテーマに経済のカテゴリーを設置してあります。

寺院を経済の側面からみることにより、現在の寺院が抱える問題点が浮き彫りになってきます。
前向きな意味での問題解決が可能です。

寺院にとってマイナス面が取りざたされている昨今ですが、逆に、新たな可能性を秘めた時代であるともいえるのではないでしょうか。

投稿者: kameno 日時: 2006年1月13日 10:44

コメント: 寺院の数はコンビニの数よりもずっと多い

> kameno先生

こちらの記事に呼応したわけではないのですが、拙僧もお寺の可能性について少し考えてみました。お寺がその存続のために投資などの活動をすることは、おそらく『律』のレベルで容認されるようです。

TBいたします。

投稿者 tenjin95 | 2006年1月16日 18:58

そうですね、このあたりのところは、私ももう少し深く掘り下げてみようと思っています。
宗教法人が何故公益法人に位置づけられているのか、また、税制がどのように改正されていきそうなのかについても考えていく予定です。

投稿者 kameno | 2006年1月17日 00:13

Kameno先生、
はじめまして。私は外国人で日本の尼僧の研究をしています。日本の尼僧の数と尼寺の数などがわかるような調査は何かございましたら教えていただけないでしょうか。宜しくお願いします。

投稿者 Shobha | 2007年10月15日 15:34

Shobha さん、はじめまして。
手元にある調査より日本の仏教宗派の中から曹洞宗と浄土真宗本願寺派について、僧侶の数は分かります。


■曹洞宗1995年調査
男性住職 10550人(94.8%)
女性住職 475人(4.3%)
不明・無回答 109人(1.0%)
出典:曹洞宗宗勢総合調査報告書

■浄土真宗本願寺派(2003年調査)
僧侶数合計 31,434人
男性住職 8,920人(27%)
男性教師 7,705人(25%)
男性未教師 5,554人(18%)
女性住職 257人(1%)
女性教師 1,922人(6%)
女性未教師 7,083人(23%)
出典http://www2.big.or.jp/~yba/heart/040706a.html


それ以外の宗派については、各宗派を統括している機関(○○宗宗務庁、宗務院、宗務所など)にお尋ねになることをお薦めします。
http://dir.yahoo.co.jp/Society_and_Culture/Religion/Faiths_and_Practices/Buddhism/Shu/?frc=wsrp

投稿者 kameno | 2007年10月15日 19:24

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