僧侶はもっと情報発信すべきでは?

宗教が、インターネットなどのCMC(Computer-Mediated Communication) をどのように利用しているかについては、宗教によってにより温度差があり、宗教種別によるサイト数の偏りにその一端を見ることができます。

具体的に調べてみました。
(少し古いデータですみません。興味ある方は http://dir.yahoo.co.jp/Society_and_Culture/Religion/Faiths_and_Practices/ から最新の数字を拾ってみてください)

次の表は、それをまとめたもので、文化庁宗教年鑑に登録されている宗教法人数の割合と、Yahoo JAPANに登録されているサイト数を比較したものです。

表1  日本の宗教別サイト数と法人登録数

 

Yahoo登録件数
2002年12月現在

文化庁登録法人数
2000年12月現在

キリスト教

881件 (40.5%)

 4,177  (2.3%)

神道

267件 (12.3%)

85,343 (46.7%)

仏教

872件 (40.1%)

77,681 (42.5%)

その他

155件 (7.1%)

15,458  (8.5%)

2175件 (100.0%)  

182,659 (100.0%)


 

これを見ると、神道の法人数に対する登録Web siteの相対数が極端に低く、キリスト教の相対数が高いのが目立ちます。

このように、宗教宗派によってWeb siteの割合が異なる現象は、日本だけの現象ではありません。
例えば、Jeff Zaleskiは、“ The Soul of Cyberspace “のなかで、

キリスト教世界では、カトリックにおいて教会の権威と聖職者の位階制が支配的なため、双方向的で水平的なコミュニケーションをもたらすインターネットの利用へと向かいにくい。
このことがカトリックとプロテスタントのサイト数の格差に影響を与えている

と指摘しています。
また、既存の秩序の枠組にとらわれないカルト集団やサイバー宗教にとっては大変居心地のよい環境を提供しており、早い時期から積極的利用が進んでいることがいえるでしょう。

仏教について見てみると、仏教カテゴリーへののYahoo登録サイト数は、法人約100件に1の割合であり
、Web site の利用がまだまだ一般的でないことを物語っているといえます。
もちろん、Yahooに登録されていないようなサイトも多いとは思いますが、それにしても、この程度なのでしょうか・・・・

CMC利用については、伝統宗教よりも、新宗教系の方が盛んに行われています。
特に、新宗教系では、公式サイトよりも、信者の作成するサイトが多いことに圧倒されます。

何が言いたいかといいますと、只でさえ、仏教カテゴリーへののYahoo登録サイト数は、法人約100件に1の割合でしかないこと、伝統仏教の檀家さんなり信者さんが伝統仏教について出されているサイトも、あまり見かけないことを考え合わせるに、ネット上の情報量による宗教勢力は、実際の宗教勢力と大きく異なるということなのです。

曹洞宗は、全国に1万4千の寺院があります。宗侶の数は約2万人。
仮に、2万人の宗侶がそれぞれ何らかの形で情報発信したら、それは半端じゃない情報量となるでしょうね。(さらに檀家さんも含めたらもっともっとすごいでしょう)

同じ曹洞宗であっても、各寺院、宗侶で、それぞれ少しづつ考えが異なっていると思います。知識も特技も異なるでしょう。様々な視点から曹洞宗というものを見ることができるし、こんな考えもあるのか!と新たな発見もあるでしょう。
お互いの研鑽にもなります。

先日、報道機関は不偏不党であるべきか というトピックスにおいて、

多くのメディアがそれぞれの主義・主張をもち、情報を発信していくことにより、結果的には、総体による不偏不党が実現できます。
いわゆる、偏りのるつぼという状態が、逆に「不偏不党」を生みだすのです。

と書かせていただきましたが、それぞれの宗侶がれぞれの主義・主張をもち、情報を発信していくことにより、結果的に、「曹洞宗」という総体の情報となると言っても良いと思います。

最近流行しているブログは、このような情報発信に最適な手段ではないでしょうか。
最新の世相に対する論評でも、2万宗侶からのアプローチがあったら、それだけで、充分影響力のあるマスメディアになります。

・・・・・というのが理想なんでしょうけれども、なかなかそうはいきませんね。
    ネットワークの本当の力を発揮するのは、それなりの数のサイトが有機的に繋がっていることが前提なのですが、まだまだ点と点が少しづつ繋がりつつあるかな?といった段階でしかありません。

 

元オウム真理教信者の高橋君が「お寺は単なる風景に過ぎない」とコメントしていましたが、僧侶たるもの、もっともっと積極的に情報発信していかなければならないでしょう。

もう一つ、データを出してみます。
貞昌院の位置する横浜市の人口は、 3,560,370人、世帯数は 1,490,358 戸となっています。 (平成17年3月1日 横浜市総務局行政部統計解析課)
伝統仏教寺院数×平均檀家数を 約 200,000 戸と推計すると、残りの 約1,300,000 は菩提寺を有しない世帯(もちろん、他宗教の信者もこの中に含まれています)となります。
となれば、この、1,300,000 世帯 (実に87%程度) の方々に何らかの情報発信をする術とは????ということを真剣に考えないといけないでしょう。

追記:もちろん、CMCによる情報発信だけでなく、「辻説法をしてみよう」 (tenjin95さんのBLOG参照)のような具体的行動も必要でしょう。


【資料:表1の詳細内訳】

キリスト教系
(881件)

神道系
(267件)

仏教系
(872件)

その他 
(155件)


キリスト教 (881)

 ┗アート (5)

┗イベント (1)

 ┗解説 (14)

 ┗カウンセリング (2)

 ┗企業間取引 (BtoB)@

┗休日 (2)

 ┗教育 (3)

 ┗教会 (187)

 ┗共同体 (1)

 ┗教派 (539)

 ┗個人的な体験 (10)

 ┗再建主義 (1)

 ┗出版社@

 ┗出版物 (3)

 ┗ショッピングトサービス@

 ┗書店@

 ┗神学 (9)

 ┗神学校 (3)

 ┗聖職者 (14)

 ┗聖書研究 (11)

 ┗聖書 (12)

 ┗創造か進化か@

 ┗団体 (16)

 ┗チャットと掲示板 (5)

 ┗デボーション (1)

 ┗伝道団体 (4)

 ┗メーリングリスト (5)

 ┗メディアとニュース (15)

 ┗リソース (2)

 ┗他(12)


神道 (267)

┗解説 (2)

┗教派神道 (35)

┗宮司 (1)

┗神社 (220)

┗団体 (6)

┗ショッピングトサービス@

┗企業間取引@

┗他(1)


仏教 (872)

┗浄土 (150)

┗真言 (162)

┗禅 (134) 

┗天台 (42) 

┗奈良仏教 (10)

┗華厳宗 (2)

┗日蓮、法華 (135) 

┗アート (24)

┗イベント (1)

┗解説 (11)

┗企業間取引@

┗経典 (8)

┗原始仏教 (1)

┗寺院 (97)

┗宗派 (33)

┗出版社@

┗巡礼 (11)

┗ショッピング サービス@

┗書店@

┗団体 (11)

┗チベット仏教 (4)

┗チャット掲示板 (3)

┗人々 (6)

┗密教 (2)

┗リンク集総合情報(7)

┗他 (15)


出雲大社教@

イスラム教 (8)

オウム真理教(アレフ) (5)

大本 (4)

御嶽教@

救世神教 (1)

幸福の科学 (6)

金光教@

サイエントロジー (3)

ジー・エル・エー (2)

シャーマニズム (1)

修験道 (10)

ニューエイジ (20)

神秘主義 (2)

神幽現救世真光文明教団 (2)

生長の家 (12)

晴明教 (1)

世界救世教 (1)

ゾロアスター教 (1)

天道総天壇 (1)

天理教 (24)

道教 (3)

パーフェクトリバティー教団 (4)

バハイ教 (4)

ハレークリシュナ (1)

白光真宏会 (2)

平和教 (1)

法輪功 (2)

妙智會教団 (1)

無神論 (1)

ラーマクリシュナ・ミッション (1)

霊波之光 (1)

黎明教会 (1)

他(39)


分類は、YAHOOによる分類をそのまま使用しています。
投稿者: kameno 日時: 2005年3月30日 00:17

コメント: 僧侶はもっと情報発信すべきでは?

> kameno 先生

TB&リンクありがとうございます。
先日来問題となっている一件ですね。

拙僧が先日唱えた辻説法は非常に極端な例ですが、しかし、一般の方へ効果のある意思表明方法はないものかと、思案しております。その意味では、ブログは有効なコミュニケーションツールだと思うのですが、まだまだその効果の全貌を図り損ねています。

投稿者 tenjin95 | 2005年3月30日 07:48

方々のサイトを覗く毎日で、自分のところが疎かになっているこの頃です。皆様のバイタリティには、圧倒されるばかりで、同時に己の問題意識と知的能力の低さに少々嫌悪感を感じさせられます。

恐らくこの位の割合だろうと予測していた数字とほぼ一緒です。浄土系を更に分ければ、真宗系が上回る物と思います。やはり宗門では、先ず坐りなさいと言う事と、人権問題の絡みもあり、下手にものを言えない雰囲気があるのではないでしょうか。理由は解りませんが、知り合いのところでは閉鎖してしまいました。

私も、友達の影響でHPをはじめては見たものの、余程の熱意と能力がないとサイト運営は難しいのかな、と思い始めました。

投稿者 usagi | 2005年3月30日 08:37

tenjinさん
これからの寺院は、檀家さんはもとより、もっともっと一般に目を向けていかなければならないと思います。
ブログはその一つの手段ですね。私もまだ使い始めたばかりですけれども、ブログの力はとても感じています。
例えば、先日の仙台の家出をした児童の母親のつくられたブログが瞬く間に日本中にトラックバックされ、テレビ報道されるまでに広がりました。
その広がりの速さにはつくづく驚かされるばかりです。

usagiさん、
宗門でも、やはり「権威と位階制が支配的なため、双方向的で水平的なコミュニケーションをもたらすインターネットの利用へと向かいにくい」ということがあるのでしょうか。
人権問題も配慮が必要ですが、個々の研鑽が求められるところだと思います。
逆に言えば、情報を発信する立場にあるからこそ、様々なことを調べていくきっかけになりますし、積んであるばかりの書籍にも目を通すようになり、人権問題もさらに勉強していくことになる(私自身の経験上)のだと思います。
それが大変だから情報を発信するのを止めてしまう、というのは、少し寂しいと思います。

投稿者 kameno | 2005年3月30日 23:06

御説、ごもっともです。これからもっと精進してできる限り頑張ります。

>積んであるばかりの書籍

方丈様がそのようなことがあるのかと思いましたが、よく読めば情報を発信する側のことでした。仰るようにもっと自己研鑽し資質を高める努力をいたします。

私は、本棚の半分は未読の本です。目が悪くなると1月に一冊読めれば良いほうです。また、本を読む量が減って理由のひとつにはパソコンの前にいる時間が長すぎることもあります。

投稿者 usagi | 2005年3月31日 09:46

>方丈様がそのようなことがあるのかと思いましたが、よく読めば情報を発信する側のことでした。

いえいえ、これは私のことです。
調べようとする動機が無いと、なかなか資料には目を通さないものです。
自省の意味を込めています。

投稿者 kameno | 2005年3月31日 12:53

日本の佛縁ある人々に、神秘的なチベット仏教の教えを紹介するため、チベットに住む活仏やリンポチェ、ならびに佛法を学ぶ法友の強力なご支持を頂いて、2007年6月「光明禅修センター」は創立された。
光明禅修センターはセルダ・ラルン・ガル・ゴンパ(色達喇栄五明佛学院)のゾクチェン大成就者、ポワ・ラマこと、金剛ラマ・ガロン・ダンジュ・リンポチェによって設立されました。ゴンパ副院長のダンザン・リンポチェ、ロンド・リンポチェ及びケンポの方々が指導に当たります。実際に修行することに重点を置いた道場で、主な修行内容はチベット仏教ニンマ派のゾクチェンと、セルダ・ラルン・ガル・ゴンパで伝えられてきた伝統的カリキュラムです。
その目的は、日本において仏教を信じる人々がチベット仏教を学び、お互いに交流するための『実修道場』を提供すること、そして未だ日本に伝わっていないチベット仏教の教えが日本に伝承され、その教えを展開することである。東チベット・セルタ県ラロンにある世界最大のニンマ派の仏教学院である「色達喇栄五明佛学院」の大勢の上師の方々から以下のように祝福を頂いた。

投稿者 光明禅修センター | 2008年3月10日 22:54

光明禅修センター様
メッセージありがとうございます。
チベット仏教との交流も是非行っていきたいと考えております。
これを機会にどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 kameno | 2008年3月11日 20:23

2008年3月16日(日)光明禅修センター合同修行のお知らせ
●修行会場:東京・赤羽

●修行時間:2008年 3月16 日(日)12:00 ?18 :00
●修行内容:
・12:00 ? 13:00 ポワ(伝承を受けた方のみ参加できます。)
・13:00 ? 16:30 ラルン日課経典、極楽祈願文、 パドマサンバヴァ( グルリンポチェ)修法(マントラ・観想)。
・16:30 ? 17:00


1.金鋼ラマ・ガロン・ダンジュ・リンポチェ の電話による説法(未定)。

2.セルダ・ラルン・ガル・ゴンパ代理院長大ケンポ・ツチャンロジュ・リンポチェの電話による説法(未定)。

・17:00 ?18:00 瞑想(各自の伝承の瞑想修行、瞑想の伝承のない方は観想入りのマントラや、人間として生まれる稀有さ・死の無常・輪廻は苦・カルマの法則を瞑想する修行を行う)  普賢行願讃回向。

※人数を把握するため、参加希望の方は前もってメールでお申し込みください。
メール: tokyowssdl@gmail.com

※修行会場についてよい情報をお持ちの方はぜひお知らせ下さい。


光明禅修センター

投稿者 光明禅修センター | 2008年3月11日 21:39

私は在家得度のご縁を頂く以前から仏教に触れる機会がありました。ただ、若い世代の人が信心深いというのは良い言葉でいえば殊勝な事ですが、悪く言えば「変わっている」とも言われた事があります。仏教に関するホームページを見ていますと、多くのお坊さんが、現在の仏教に甘んじず一生懸命活動されているのが分かりますし、ブログではお坊さんはもとより、在家で仏道修行をされている方がいる事がわかり、自分自身の修行の励みになる事が多いですね。

投稿者 天真 | 2008年3月12日 20:01

天真さん
これまで見えてこなかった活動が見えるようになるということが大きな特徴ですね。学ぶ人同士を結びつけるネットワーク作りのきっかけにもなります。

投稿者 kameno | 2008年3月12日 23:35

2008年4月6日(日)<大吉日>光明禅修センター合同修行のお知らせ
道友の方々へ:
 
  4月6日はチベット歴三十,この日は開祖の仏陀釈迦牟尼の大吉日だからなのです。この日ではどんな善悪をしても何れも9億倍になります。つまり、善事を一件するとすれば、その功徳は平日に する同じ善事で得る功徳より9億倍も増加するというわけです。ですから、もし皆さんはこの日では精進して(努力して)善事を行えば、功徳は無駄にはならないばかりでなく、さらにこの機会を借りて、素早く力強くて宿業を を取り除くこともできるし、福と知恵の資糧(資金と食糧)を育てることもできます。
●修行会場:東京・赤羽
●修行時間:2008年4月6 日(日)12:00 ?18 :00
●修行内容:
・12:00 ? 13:00 ポワ(伝承を受けた方のみ参加できます。)
・13:00 ? 17:00 ラルン日課経典、極楽祈願文、金剛薩埵修法(マントラ・観想)。
・17:00 ?18:00 座禅瞑想(各自の伝承の瞑想修行、瞑想の伝承のない方は観想入りのマントラや、人間として生まれる稀有さ・死の無常・輪廻は苦・カルマの法則を瞑想する修行を行う)  普賢行願讃回向。

※人数を把握するため、参加希望の方は前もってメールでお申し込みください。
メール: tokyowssdl@gmail.com  

※修行会場についてよい情報をお持ちの方はぜひお知らせ下さい。


光明禅修センター
www.wssdl.org

投稿者 光明禅修センター | 2008年3月23日 21:49

2008年5月18日(日)光明禅修センター合同修行のお知らせ
道友の方々へ:

5月18日はセルダ・ラルン・ガル・ゴンパ(色達喇栄五明佛学院)金剛薩埵大法会をやりますけど、何万人が合同修行を参加します、すごく大吉日です。

●修行会場:東京都
●修行時間:2008年5月18 日(日)12:00 ?18 :00
●修行内容:
・12:00 ? 13:00 ポワ(伝承を受けた方のみ参加できます。)
・13:00 ? 17:00 ラルン日課経典、極楽祈願文、金剛薩埵修法(マントラ・観想)。
・17:00 ?18:00 座禅瞑想(各自の伝承の瞑想修行、瞑想の伝承のない方は観想入りのマントラや、人間として生まれる稀有さ・死の無常・輪廻は苦・カルマの法則を瞑想する修行を行う)  普賢行願讃回向。

※人数を把握するため、参加希望の方は前もってメールでお申し込みください。
メール: tokyowssdl@gmail.com  

※修行会場についてよい情報をお持ちの方はぜひお知らせ下さい。


光明禅修センター

投稿者 光明禅修センター | 2008年5月 9日 20:29

2008年7月27日(吉日)合同修行のお知らせ
2008年7月27日はュムカ供養の日とグル・リンポチェの吉日です。
この日ではどんな善悪をしても何れも10万倍になります。つまり、善事を一件するとすれば、その功徳は平日に する同じ善事で得る功徳より10万倍も増加するというわけです。ですから、もし皆さんはこの日では精進して(努力して)善事を行えば、功徳は無駄にはならないばかりでなく、さらにこの機会を借りて、素早く力強くて宿業を を取り除くこともできるし、福と知恵の資糧(資金と食糧)を育てることもできます。

●修行会場:東京・赤羽
●修行時間:2008年7月27 日(日)12:00 ?18 :00
●修行内容:
・12:00 ? 13:00 ポワ(伝承を受けた方のみ参加できます。)
・13:00 ? 18:00 

※参加希望の方は前もってメールでお申し込みください。

 

ゴンチュジャンツオ

投稿者 光明禅修センター | 2008年7月20日 22:08

コメントを送る