No.37 解説
これは道元禅師の書かれた、﹃正法眼蔵﹄﹁即心是仏﹂の中の一句です。 元来は、﹃華厳経﹄という経典の中にある思想ですが、中国唐代の禅者、馬祖道一が好んで弟子の教化のために使いました。意味は、文字通り﹁この心そのままが仏である﹂ということですが、なにも心の中に常住不変の﹁仏﹂が備わっているわけではありません。道元禅師は、﹁即心是仏﹂の巻でそのような誤った解釈を強く否定しています。 では、道元禅師の説く﹁即心是仏﹂とはどのようなものなのでしょうか。 リーフレットの中にも説かれているように、なにも行わない、もしくは自分勝手な状態ではなく、日々仏道に叶った生活の実践を必ず必要とするのです。その実践とは、当に自分自身で正しい志を立て、その目標に向かって努力して行くことです。