No.28 解説
この言葉は瑩山禅師の主著である、﹃伝光録﹄第十章﹁脇尊者︵婆栗湿縛尊者︶﹂の提唱の部分で述べられた言葉です。﹃伝光録﹄は、お釈迦様から続く歴代の祖師の悟りの因縁を述べ、それに対して瑩山禅師がそれぞれに提唱︵コメント︶を付した書物です。いわば曹洞宗の教えの由来を示す書と言えましょう。 我々は、この書を通してインド以来の祖師がどのように修行し悟りを開かれたのか、またそれに対する瑩山禅師の考え方や教えを学んでいるのです。 前掲の言葉に続いて﹁日日是れ好日なり﹂とあります。つまり、人は皆素晴らしいものを持ち、良い機会に毎日巡り会っているのだ、と示されているのです。そして、瑩山禅師はそれに気が付かないか、もしくはその好機を生かすことが出来ない人々を叱咤しているのです。