斎場御嶽(せいふぁーうたき)

2000年に琉球王国のグスク及び関連遺産群としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された斎場御嶽(せいふぁーうたき)。
首里城や他のグスクは以前に訪れていましたが、斎場御嶽だけはまだ行ったことが無かったので訪ねてみました。

御嶽(うたき)自体は、琉球の村落ごとに置かれた聖域で、農耕、漁労、狩猟などに関る儀式や祭事が行われてきた場所でもあります。
『琉球国由来記』には「村を愛護する祖霊神、祝福をもたらすニライカナイ神、航海守護神などがまつられている」とされています。

斎場(せーふぁ)は「最高位」を意味し、王国最高の御嶽とされ、国家の最高神職である聞得大君が管理してきました。


第二次世界大戦の沖縄地上戦によってその大部分が破壊されてしまい、その原形をとどめているのは僅かです。
その中にあって、斎場御嶽が残ったということは奇跡的なことかもしれません。


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琉球の御嶽は男子禁制であったため、たとえ国王であっても女装に改める必要があったそうです。
一般庶民は、この御門口(うじょーぐち)より先の聖域に入ることは許されず、御門口手前で祈りを捧げました。
御門口は、奥へと続く石畳が聖域としての雰囲気を醸し出しています。

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大庫理(うふぐーい)
石畳道を進み最初の拝所です。国王即位儀式などが行なわれました。
大庫理は大きな部屋を意味します。

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三庫裏(さんぐーい)
巨大な岩が合わさり、三角形の洞門を作り出しています。
ここには勾玉などが埋められていました。

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巨大な二本の鍾乳石から水が滴っており、下にその水を受ける壷が置かれています。
この水は御水(うびぃ)と呼ばれ、水量によって豊作・凶作を占いました。

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寄満(ユインチ)
首里城では国王の食事を作る部屋が同じ名前となっています。
豊穣や幸せの満つるところとして、その年の豊凶を占う儀式が行なわれ、第二次世界大戦まではこのばしょに馬形の石(うまぐゎーいし)が置かれていました。


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斎場御嶽全体が巨大な岩に囲まれており、ガジュマルの太い根がそれを覆い尽くしてています。
森に息づく生命の躍動感を感じます。
最近のコトバでいえば「パワースポット」という表現になるのでしょうが、そんな安っぽいものではありません。

投稿者: kameno 日時: 2010年6月15日 10:10

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