研修会@大雄山最乗寺

1泊2日の研修会が、神奈川県南足柄市・大雄山最乗寺を会場として開催されました。
昼過ぎまで小学校で夏休み体験チャレンジスクール坐禅会を行っておりましたので、開講式に間に合うかどうか微妙なところでしたが、幸いなことに受付開始に間に合いました。

樹齢何百年もの杉林に囲まれた伽藍は、いつ訪れても気持ちがよいものです。

■開講式

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■管長告諭解説
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平成19年度 布教教化に関する告諭

曹洞宗管長 大道晃仙禅師

今、情報化社会の中で、世界の各地からさまざまな声が聞こえてきます。
その声は、優しく温かみのあるものより、不安と不信に満ちたものが、より多くなっています。
その声に、私たちはどう応えたらよいのでしょうか。
世界各地で起きている争いのために、何物にも代えがたい尊い生命が失われ、心がおびえ、冷えきってしまった人びとが大勢います。
国内に目を向けると、お金や物ばかりが優先され、人や自然への慈(いつく)しみの心を軽んじ、本来安らぎの場であるべき家庭や学校までが、危機にさらされています。
なぜ人は、「いのち」の尊さや、人とのかかわりあいの大切さを見失い、他を思いやる心をなくしてしまったのでしょうか。
このような時代だからこそ、曹洞宗(そうとうしゅう)は信仰生活の実践目標を「同事行(どうじぎょう)」と定め、「人権・平和・環境」の大切さを説き続けているのです。
『修証義(しゅしょうぎ)』に「人間の如来(にょらい)は人間に同ぜるがごとし」とあります。
人間であられたお釈迦さまだからこそ、私たちの悩み苦しみを、ご自身のこととして、慈愛の手をさしのべられ、私たちを導いてくださるのです。
お釈迦さまの慈悲の心に目覚め、「南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」ととなえつつ、家庭、学校、そして社会で、お互いに思いやり、限りなく慈(いつく)しみ合う心を、いっぱいにするように、努めてまいりましょう。

■講義1「伝法式行法について」

伝法は宗門僧侶にとって、室内の大事な行持でありますが、その勤めかたの作法が漢文で書かれていたり、指南書が多岐にわたること、また、少子化の影響もあり、本師が師弟に法を伝える行法の経験が少なくなってしまうという事実があります。
そのために、宗門ではこの事実に鑑み、行法の円滑化を図る工夫を加えた、新しい「伝法式行法」が作成されました。
講義の中では、「従来の内容・宗制を改変することなく」しかしながら「いかにわかりやすく」という点についての苦労を垣間見る事ができました。

薬石・開浴

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■座談会「葬祭の意義と課題」

各老師・諸師からの問題提起が行われ、それに対する質疑応答がなされました。
特に、「伝法式行法について」で指摘されるような少子化の影響はむしろ一般社会においてさまざまな問題を引き起こしています。
寺院における伝法式行法が数十年に一度の行持であるように、一家庭において行われる葬儀も、それこそ一世一代の経験であるでしょう。
祖父母などからの伝承が薄らいだ現代においてこそ、葬儀の意味についてのきちんとした説明が僧侶サイドからなされる必要があります。
この座談会は、時間が超越してしまうほど盛りだくさんの内容でした。
各師の実体験・工夫点など、学ぶべき項目は多いものです。

開枕

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振鈴・洗面・朝課・御奥殿御祈祷

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写真は朝課罷・御奥殿へ向かう様子です。法螺貝を吹きながら上殿します。


■講義2「宗門儀礼を考える(1)」
  ?朝課諷経について?


■人権学習「思いをことばに・ことばを力に」
  ?安心できる居場所と語りによる回復

閉講式

投稿者: kameno 日時: 2007年8月22日 19:12

コメント: 研修会@大雄山最乗寺

7月30日に、静岡県小山町の金時峠を越えて大雄山にお参りしました。3度目でしたが、清々しい雰囲気のお寺ですね。有名な金剛水は美味しかったので、ペットボトルに頂いて、家で家族と飲みましたが、とっても美味しいと評判が良かったです。慧春尼堂にお参りするのを忘れてしまったのが痛恨の極みです。(^^ゞ

投稿者 天真 | 2007年8月26日 08:27

美味しい空気と美味しい水、六根を清浄にしてくれる場の雰囲気というのがありますよね。
大雄山最乗寺はまさにそういう場所です。
気持ちを新たにすることができました。
慧春尼堂は、また次の機会の楽しみということですね!

投稿者 kameno | 2007年8月27日 10:43

はじめまして。こちらでは研修会なるものがあるのですね。先日参拝したのですが、とても清々しい場所で心静まりました。

投稿者 うるぱぱ | 2007年9月 3日 14:02

うるぱぱさん
今回の研修は僧侶対象の研修会でした。
最乗寺は、何度訪れても気持ちが良いものです。
夏の寺院行事が一段落した後にこのような研修があります。
気持ちを新たに、今年後半に臨みたいと思います。

投稿者 kameno | 2007年9月 3日 20:52

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