電源コンセントを使って手軽にインターネット

ついに、待ちに待った製品が発売されることになりました。

発売にいたる背景には、今年6月に、情報通信審議会、9月に電波監理審議会から屋内配電線を高速データ通信に使用することに関する答申が出され、10月、その内容に沿った省令が、総務省から公布されたことがあります。
これにより、屋内配電線を高速データ通信に使用できることになりました。

ADSLとか光ファイバーでインターネットを引いたのはいいけれど、そこから先、各部屋にどうやってネットワークケーブルを設置するかが非常に重要な問題でした。
LANケーブルを引き回すにしても、壁やドアといった障害をどのように乗り越えていくか・・・・・
部屋の床や壁にLANケーブルが這っている姿も、あまり美しくありません。

そういえば、昨年、宗務庁でも、ネットワークケーブルを床下に設置するために、床上げの工事を行っていましたが、それはそれは大変な工事でした。

最近普及している機器に無線LANがありますが、やはり、無線ですから、ネットワークのセキュリティーに問題があったり、通信速度の安定性・信頼性に欠けるところがあったりします。

そのような中で、電気の配電線をネットワークに活用できるということは、どれだけ素晴らしいことか。

大抵の建築物には、各部屋に予め電気の配線がされています。
コンセントはどの部屋にもあります。というか、パソコンを動作させるためには、通常コンセントに繋ぎますから、配電線に通電とネットワークケーブルの機能をもたせるということは、ケーブルそのものを削減する事にもなります。

まずは、今回発売されるものがどんな製品かを下記のサイトで見てください。
2006年11月13日
松下電器産業株式会社
家庭の電源コンセントを使って手軽にインターネットに接続可能
「HD-PLC」方式を採用したPLCアダプターを発売
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn061113-1/jn061113-1.html


<主な特長>
1.家庭のコンセントから手軽にインターネットに接続可能
(1)簡単に、便利なホームネットワークを実現
(2)増設用アダプターの増設が簡単
2.最大190Mbps(PHY速度)の高速ホームネットワークを実現
3.パソコン不要の簡単設定で強固なネットワークセキュリティを実現
4.簡易通信速度測定機能搭載


PLC.gif

つなぎ方はいたって簡単。

■PLCマスターアダプターとPLCターミナルアダプターが今回発売される製品です。
■PLCマスターアダプターのLANジャックを電源コンセントに差し、ブロードバンドルーターやモデムをつなぐ。
■インターネットをしたい別の部屋で、PLCターミナルアダプターを電源コンセントに差す。
■そのPLCターミナルアダプターにパソコンをつなぐ

これだけです。


さて、この屋内配電線を高速データ通信に使えることがどれだけ画期的なことなのか。 単に無線LANよりも手軽に各部屋でインターネットが出来るという便利グッズということだけに留まりません。

おそらく私たちの生活を一変させるような製品です。

家電製品一つ一つにサーバー機能を持たせることによって、ホームネットワークが完成しますが、これまでは、電源のほかに、何らかの形(LANケーブルまたは無線)でネットワーク環境を別途構築しなければなりませんでした。

それが不要となり、単にコンセントに電気機器をつなげるだけでそれが実現します。
外部から電灯を点灯・消灯したり、部屋の様子をカメラを通じて見たり、ビデオの予約をしたりといったことも簡単にできます。
また、テレビを考えると、建物の一箇所にチューナー+録画機器を集約しておけば、アンテナケーブルすら不要になりますね。

また、福祉行政分野で考えると、例えば、一人暮らしの老人が元気に生活しているかという情報を、電気ポットのような日常必ず使う電気機器にサーバー機能を持たせれば、電気ポットが使われているかどうかという情報を元に、プライバシーを損ねずに安否を把握できます。

ちょっと考えるだけで、さまざまなアイデアが浮かんできます。
これからの時代、どんどん変化していきますね。
本当に楽しみです。

投稿者: kameno 日時: 2006年11月16日 07:20

コメント: 電源コンセントを使って手軽にインターネット

> kameno 先生

とても楽しみなニュースです。本当にどこでも使えるのか?など知りたい内容もあるのですが、とりあえずは歓迎したいですね。一時は、ノイズの問題も指摘されていましたけれども、これは解消されたのでしょうか・・・

投稿者 tenjin95 | 2006年11月16日 08:29

当初10メガ出るかどうかというような感じだったので、ノイズ回避の技術が進んでいるんでしょうね。
実効どれくらいの速度が出せるかによって、ホームネットワークの可能性が広がっていきます。
特に寺院の場合は、建物の面積が広いですから、LANケーブルを這わせるよりもずっと利用価値はありそうです。
貞昌院のネットワークカメラ(ライブカメラ)は、軒下に延々50m以上ケーブルを設置していますから。

投稿者 kameno | 2006年11月16日 13:06

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